2014/04/13 - 2014/04/13
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MILFLORESさん
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ちょうど50年前の1964年4月、アスワン ハイ ダムの建設計画により水没の危機にあった、エジプトのヌビア遺跡のアブ シンベル神殿の移築が始まりました。アブ シンベル神殿は分割されて、元の場所から約60m離れた丘へ移築されました。この大規模な移設工事を可能にしたのは、ユネスコ初の国際文化財救済活動で、世界中の20もの国々が賛同しました。この運動がきっかけになって、歴史的価値のある遺跡・建築物・自然を保護する「世界遺産」が創設されました。
スペインも、ヌビア水没遺跡救済に賛同した国のひとつ。1968年に、エジプト政府はそのお礼として、水没予定だった他いくつものヌビア遺跡群の内のひとつの神殿をスペイン政府に贈りました。それが、首都マドリードのオエステ公園内にある【デボ神殿 Templo de Debod】です。
デボ神殿は2200年前の建物です。水没前にバラされて保存されていたものをマドリードに持ってきて、石ひとつひとつを元通りに積み上げて再建されました。神殿の向きも以前エジプトで向いていた方向と同様に建てられました。遺跡は、神殿とふたつの門からなります。無料で見学できる神殿の中には、古代エジプトの彫刻がかなり鮮明に残っています。
http://www.esmadrid.com/es/templo-debod
近くのスペイン広場と、昼食で行ったレストラン El Pimiento Verde と合わせてご紹介します。
- 旅行の満足度
- 4.5
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今日は車をスペイン広場の地下駐車場に停めました。スペイン広場 Plaza De España は、グランビア通りが終わってプリンセサ通りが始まる部分にある大きな広場です。マドリードを代表する特徴的なこのふたつの建物は、右が Edificio España(スペイン ビル)、左が Torre de Madrid(マドリード タワー)。共に1950年代に建設されました。マドリード タワーには住居とオフィスが入っています。スペイン ビルは2005年まではホテルや住居やオフィスが入っていたのですが、売却され、ファサードの修復はされたものの、ここ数年ずっと空のままです。今年になって中国の億万長者王健林が買い取り、将来的にはホテルと商業施設が入る予定です。
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スペイン広場の中心にあるモニュメントは、文豪セルバンテス(1547-1616)の没後300年記念として建てられました。花崗岩で出来ています。グランビア側はモニュメントの裏側に当たります。中央に座っているのはスペイン文学のアレゴリー(寓意像)、天辺の球の周辺には5大陸を表した5人の人物がセルバンテスの代表作ドン キホーテを読んでいます。何カ国語にも訳されて世界中で親しまれたドン キホーテを象徴しています。
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スペイン文学のアレゴリーは片手に本を持っています。どこかで見たことある人物、と思ったら、どうやらカルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)の妃イサベル デ ポルトゥガル王妃を描いたティツィアーノの絵が元になっているようです。→ http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Isabella_of_Portugal_by_Titian.jpg
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モニュメント脇には、セルバンテスの他の小説の場面を表した彫刻があります。これは「La Gitanilla ジプシー女」という短編小説から。
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そして、モニュメント正面中央にはセルバンテスが鎮座してます。右側に写っている石像は、ドン キホーテに勝手に想い姫と決められたトボソ村のドゥルシネア(本名アルドンサ)。
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セルバンテスの目の前にはドン キホーテと従士のサンチョ パンサ。ドン キホーテの、主人と同じようにガリガリに痩せた愛馬はロシナンテ、サンチョ パンサのロバはルシオという名です。
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ここは観光客に人気の記念撮影スポット。像だけの写真がなかなか撮れません。 (夫撮影)
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イチオシ
モニュメントの前の池を挟んだ図も定番アングル。個人旅行らしい日本人が数人いました。団体旅行だと広場脇にバス停めて、ほんの数分この写真を撮るためだけに寄るようです。
スペイン広場 広場・公園
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スペイン広場の向こう側にあるこの一見変わった外観の建物は、19世紀に建てられた教会です。 Iglesia de Santa Teresa y San José 聖テレサと聖ホセ教会。特徴あるネオ ビザンティン様式のクーポラは王宮辺りから良く見えます。
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今日は枝の主日(聖枝祭 Domingo de Ramos)、復活大祭の1週間前の日曜日で、イエスがエルサレム入りした日とされています。群衆は枝を持って歓呼してイエスを迎えました。枝は凱旋者を歓喜して迎える印でした。カトリック教ではこの日、信者はオリーブの枝やナツメヤシまたはシュロを持ってミサに参列します。だから、教会前でこうしてオリーブの枝やヤシの葉の飾り物が売られているのです。
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この漂白したヤシの飾り物はスペインではほとんどがエルチェで生産されています。エルチェ旅行記をご参照ください。→ http://4travel.jp/travelogue/10804287
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この辺り、19世紀の素敵な建物が多い。
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オエステ公園付近にあった、「5月2日の民衆を称える像」
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1808年5月2日、マドリード市民はナポレオン軍の侵略に抵抗して決起します。対仏スペイン独立戦争(1808-1813)の始まりです。「5月2日」と「5月3日」のマドリードの様子を描いたゴヤの絵は有名です。5月2日はマドリード州の祝日で、市民にとってはとても誇り高い記念日です。
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可愛いらしい花を付けた木。豆科だなーくらいしか分からない植物オンチなのですが、調べてみました。日本語ではハナズオウというらしい。間違っていたら教えて下さい。
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さて、これがデボ神殿 Templo de Debod です。オエステ公園(西公園)内、スペイン広場に近い所にあります。
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イチオシ
アスワン ハイ ダムによって水没するところだったのを、分解して保護された遺跡です。
デボー聖堂 寺院・教会
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日曜日でイースター休暇が始まったこともあり、内部見学には40人くらい並んでいました。中が狭いため、人数制限がされています。15分ほど待ちました。
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神殿正面
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神殿前から見た門。スペイン広場のスペイン ビルとマドリード タワーがここからも見えます。
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中に入ってすぐの所、こんなに彫刻が残っています。
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奥の間に続く短い通路の両脇にはもっと彫刻が残っていました。 (夫撮影)
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太陽神アメンと女神イシスを祀った神殿だそうです。
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ヒエログリフって面白い。
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古代エジプト神話の頭の長い神々と、やはり頭が長かったマヤの神々と、何か関連はあるのでしょうか。不思議な古代文化・・・
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イチオシ
この短い通路にある彫刻を見るだけでも、列を待って入った価値がありました。
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狭い神殿ですが、上階もあります。デボ神殿の模型です。門は3つあって、塀が繋がっていたのですね。(夫撮影)
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こんな風に儀式が行なわれたのでしょう。
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デボ神殿があった辺りの模型。マドリードのデボ神殿も含めて、計4つの神殿が救済賛同国に贈られました。他の3つは、N.Yのメトロポリタン美術館にあるDendur神殿、イタリア トリノのエジプト博物館にあるEllesiya神殿、オランダ ライデンの国立民族学博物館にあるTaffa神殿です。
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門のまぐさ石。太陽の両側にコブラがいます。守りのシンボルだったそうです。
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こんなエジプト遺跡がマドリードの中心地で見られるなんて、意外でしょう?
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神殿の奥へ行きましょう。
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ここからは、マドリード郊外のカサ デ カンポが見渡せます。カサ デ カンポはスペイン最大の都市公園で、面積は1,700ヘクタールもあります。昔は王室の狩場でした。
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カサ デ カンポ内の遊園地のジェットコースターが見えました。
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ここオエステ公園からカサ デ カンポを繋ぐロープウェイ Teleferico de Madrid がフル稼働しているのが見えました。
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イチオシ
そして、アルムデナ大聖堂と王宮も見えます。
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オエステ公園はここからモンクロアまで、マドリード西部に長く広がる公園です。
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Pintor Rosales 通りに面したカフェテリアのテラス席は、好天気のために日曜昼前のひと時を楽しむ市民で賑わっていました。
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久し振りに風見発見! マドリードにあるだけに「クマとやまもも」だと私は思うんだけど、夫は「クマに見えない、狐だ!これはイソップ寓話の「狐と葡萄だ」と言い張ります。でも、ブドウがこんな木のわけないでしょうが。
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我々も休憩、適当なバールのテラス席につきました。タパスを何か頼むつもりだったんだけど、値段が結構高くて、しかも週末料金でさらに高くなるのが分かって、莫迦らしくなったのでビールのみ。たっぷりのビール1杯3,20ユーロ、サービスのつまみがけっこう多かったので良し。
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プリンセサ通りまで出て、前から入ってみたかったこの店で昼食をとることにしました。
バスク料理の店 Pimiento Verde http://www.elpimientoverde.comピミエント ベルデ(キンタナ通り店) 地元の料理
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なかなか居心地良い内装。バスク地方のシドレリア(シードルハウス)を模しているみたいだけど、ずっとお洒落です。
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奥の窓の向こうは厨房。2階席もあります。予約無しで14時過ぎに入ったのですが、2人席が3つ空いているのみ、他は全部予約されていました。いる間に次々と人が入ってきて、賑やかになりました。この辺りの人気店のようです。
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また生ビール。でもハイネケンで残念(あまり好きでない)。つまみのチーズには、蜂蜜とバルサミコ酢がかかっていて美味しかった。
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店の名になっているピーマンが皿に描かれています。
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前菜にはタラ入りオムレツ Tortilla de Bacalao 12,50ユーロ。「本場バスクのシドレリアの味!」とメニューに書かれていたんだけど、それよりもずっと洗練された味。中にピーマンも入っていて、程好い甘みのする美味しいオムレツでした。
バスク地方のシドレリアの雰囲気と料理に関しては→ http://4travel.jp/travelogue/10647243 -
夫はメインに骨抜き子羊のローストを頼んだ。子羊ローストはバスク料理ではないと思うけど、でもなかなか柔らかく美味しかった。20,50ユーロ (夫撮影)
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私はメニュー外の本日のお勧め、bokartes a la plancha 13,50ユーロ。スペイン北部(特にバスク地方の隣のカンタブリア地方)のアンチョビは有名ですが、そのアンチョビにされるカタクチイワシのことを北部ではボカルテと呼びます。(他スペインではボケロンと言う) これ、すっごく美味しかった! 特にかかっているオリーブオイルが最高でした。
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レストランではコーヒーもデザートも取らずに出てきたため、しばらくしたら甘いものが欲しくなった。そこで、pasteleria portuguesa (ポルトガル菓子店)というのが目に付いたので、入ってみたら・・・あった!
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パステル デ ナタ、特にリスボンのベレン地区のが有名ですが、カスタードクリーム入りタルトです。なかなかいけます。コーヒーも飲める小さなカウンターがありました。いる間に近所の人が3人、パステル デ ナタを持ち帰りで買っていってました。ベレンのあの店の出来立てホカホカ、パイはパリパリのパステル デ ナタ、食べたい!
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イチオシ
プリンセサ通りをスペイン広場まで戻ります。新緑の大木の並木が気持ち良いマドリード散策でした。
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