第36回海外旅/アジョッシ3人組の韓国視察・その3.DMZトレインに乗って、南侵第3トンネル視察。

6:30
イビスアンバサダーホテル仁川洞、隣の隣のビルの地下2階にある、鐘路サウナです。
朝6時から営業しています。
今日の活力を養う為に、サウナで気合いを入れていきましょう。

鐘路サウナ…6000W。

7:55
仁寺洞から南大門まで歩きます。
ソウルの中心部を流れる清渓川(チョンゲチョン)です。
かつて高速道路がありましたが、老朽化に伴って取り壊されて公園となり、市民の憩いの場になっています。

ちょっとタイムスリップしてみましょう。
1950年代の清渓川です。
川岸に朝鮮戦争の避難民などがスラム街を形成していました。

この後、ソウル市当局は不法占拠住民を強制移住させて、川を暗渠化し清渓高速道路を1971年に完成させました。

2000年代に入ると、高速道路が穴だらけの老朽化が目立つようになり、清渓川復元の世論が高まった事もあった事から、高速道路の撤去と河川の復元工事が行われました。

8:30
南大門市場にやって来ました。
東大門市場と並ぶソウル二大市場のひとつで、崇礼門(南大門)を起点に、四方およそ200m～500mの中に大小1万店以上が立ち並びます。

雨が降ってきました。
頼む! 降らないでくれ～

南大門市場にある、粉食通りです。
小さなカルグクス食堂が軒を連ね、お昼時になると人で一杯になります。
カルグクスとは、うどんの韓国版と言った所でしょうか。
ここで、朝食にしましょう。

入って2軒目の兄弟粉食と言う食堂です。
韓国にハマリ始めた頃、ソウル駅のシロアムサウナや、市庁の安宿に泊まっていたので、この食堂にはよく通いました。
たくさん店があるのですが、最初に入った店がココだったので、2年ぶりの今回もココにしました。
店のアジュンマ(おばちゃん)達も変わりなく、元気そうでなりよりでした。

ホリハプ(麦飯のビビンバ)にしました。
ミニサイズのカルグクス、味噌汁がついて、5500ｳｫﾝ！
白菜のキムチ、青菜のキムチは食べ放題。
ココのカルグクス‥懐かしい味です。

兄弟粉食
カルグクス‥5000W.
ホリハプ‥5500W.

南大門市場粉食通りの食堂は、カルグクス(5000ｳｫﾝ)を注文すると、サービスで、ミニ冷麺かミニホリハプがついてきます。
ホリハプを頼んだ自分にも、ミニ冷麺がついてきました。
嬉しいです。

南大門市場から崇礼門(南大門)を見学しながら歩いてソウル駅に行こうとしたのですが、雨が本降りになってしまったので、地下鉄でソウル駅にやって来ました。

ソウル地下鉄4号線
会賢→ソウル‥1150W.

9:30
ソウル駅から乗る、DMZ トレインです。
今年からDMZ観光は、この観光列車に乗って行けるようになりました。
運行開始時は午前と午後の2往復体制で運行されていましたが、平成26年11月から1日1往復になってしまいました。

DMZトレイン‥片道8900W.
ソウル9:40→都羅山11:05
都羅山15:10→ソウル17:40
※復路は臨津江で80分の停車有り。

DMZトレイン2号車の車内です。
韓国らしい派手な内装ですね。
元々は通勤列車として活躍していたディーゼルカーが余剰になってしまい、観光列車用として改造されました。

座席は指定席で予約が必要です。
日本からだと、韓国鉄道公社(KORAIL)の日本語版ホームページで、メールアドレス、パスポート番号、クレジットカード情報を入力すれば予約ができます。

ちょっとした売店と、アテンダントさんのブースがあります。
この日は3名の美人アテンダントさんが乗務していました。

車内にはトイレがあるので、辛い物を食べ過ぎてお腹の具合が悪くても安心です。

民間人統制区域に入るので、書類に記入が必要です。

上の細線枠に「平和列車 DMZ-Train 都羅山駅 出入 申込書」と書いてあります。

太線の枠内に必要事項を記入します。
↓
DMZ TOUR→□安保観光‥と書いてあるので第3トンネル･都羅山展望台に行く人はチェックします。
※冬期には一般観光を運営しません‥と書いてあります。

Name→氏名を記入します。

Nationality→国籍を記入します。

Mobile NO→携帯電話の番号を記入します。

Birthdate→住民番号記入欄です。私らは外国人なので、一応、空白部にパスポート番号を書いて提出しました。

太線枠内の下部※の下に「下事項に同意します」と書いてあります。
その下にハングル文字が3文字離れて書いてあります。
そこは、日付です。・年・月・日となりますので記入します。
その下の左側に氏名。右側にサインを記入します。

左右両方に同じ事を記入して申込書を作成します。
左側は都羅山駅窓口提出用。
右側はシャトル(観光)バス提出用です。

10:40
ソウルから1時間で、一般民間人が普通に行ける最後の駅‥臨津江(イムジンガン)に到着です。
ここで、軍人さんが乗って来て、我々外国人はパスポート、韓国人は身分証のチェックが行われます。

軍人さんの検閲に合格すると、写真のパスを首からぶら下げて行動するようになります。

10:55
臨津江駅を発車しました。
韓国と北朝鮮の境は、国境と言わず軍事境界線と言い、軍事境界線から2キロの地帯を非武装中立地帯‥DMZ(Demiilitarized Zone)と言い、韓国側は安全性を考慮して、さらに6キロの地点に民統線(民間人統制線)を敷き、一般民間人の立入を規制しています。
臨津江駅を発車すると、民統線を通過し、民間人統制規制区域になります。
有刺鉄線が重々しい雰囲気を作り出していますね。

戦争の時に破壊された、鉄道橋の橋脚が今も残されています。

車内に寂しい音楽が流れ、臨津江を列車はゆっくりと渡ります。

車内は哀しく暗い雰囲気につつまれています。
国家分裂によって、ここはもう、気軽に行ける所ではないのです。
天気が悪い為なのか、より寂しい雰囲気が車内を包みこみます。

11:05
北朝鮮の手前‥都羅山駅に到着しました。
最果ての駅とは思えない立派な建物です。

都羅山駅構内にある、南北出入境管理事務所です。
内部には保安検索台や出入境審査台、税関が設けられています。
なお、韓国は北朝鮮を正式な国家として認めていない為、出入国管理事務所と言う表現にはならないそうです。
今の所、南北直通列車が運行されていないので、施設内はガラ〜ンとしたままです。

都羅山駅構内のカウンターで、DMZ安保観光の申し込みをします。
車内で書いた申請書とパスポートが必要です。
第３トンネルは、シャトルトレインに乗ってトンネルに入るコースと、徒歩でトンネルに入る、ふたつのコースがあります。
(徒歩コースの方が安いです‥8700ｳｫﾝ)
なにも言わなければ、シャトルトレインコースになるようです。
徒歩コースがいい方は、「トボ」と言いましょう。

受付をすると、ラスターが与えられます。
第３トンネル観覧と書いてありますね。
右側の数字が、バスの座席番号です。
下の黄色の部分に、韓国語でスンカンキと書いてありますが、これはシャトルトレイン利用を意味しています。
DMZトレインと、安保観光バスツアーのふたつのラスターを首からぶら下げて行きます。

DMZ安保観光バスツアー
シャトルトレインコース‥11700W.

天気はあいにく、雨がシトシトと降っています。
都羅山駅からボランティアガイドさんに連れられて歩きます。
長々と続く有刺鉄線が、緊張感のある雰囲気をかもし出していました。
この一帯は、撮影禁止の看板がいたる場所に掲げられているので、注意が必要です。

※この写真は、許可をとって撮影された物です。

どこに連れて行かれるのかと思っていたら…
都羅山平和公園と言う、新しい公園に案内されました。
所々、ボランティアガイドさんが韓国語と英語で説明をしてくれます。

公園内には、パネル写真の展示があります。
軍事境界線から南北双方2キロの地点‥DMZ()非武装地帯に有刺鉄線が張りめぐされており、この距離は西側の漢江河口部から東側の金剛山付近の海岸まで248キロにわたって続いています。

公園内に朝鮮戦争で使われた？、戦車が展示されていました。

都羅山平和公園の駐車場からDMZ安保観光バスに乗ります。
ここで、申請書の半分をドライバーさんに渡します。

ドライバーさんが運転と案内(韓国語のみ)をひとりでこなします。
各地の説明が、バス車内モニターで行われ、日本語でも説明がありました。

12:10に出発です。

12:20～13:00
まず、やって来たのは、統一村にある食堂です。
北朝鮮のお酒や、DMZ米など、お土産も売っています。
ここで、昼食となります。

ツアー参加者の昼食は、強制的にテンジャンチゲ(味噌チゲ)定食になり、テーブルに色々なオカズが並びます。

統一村は、大豆が特産品で豆腐が美味しい所でもあります。
そこで、キムチトゥブを別注文したら、豆腐にキムチの古漬がついてきました。
このキムチ‥長い時間をかけて熟成された物なので、すごく酸っぱかったです。

代金は別料金となり、食堂で払います。
クレジットカードで支払えました。
店のメニューには、テンジャンチゲ.7000W 、キムチトゥブ.8000Wとなっていたので、支払いは29000Wになるかと思いきや、請求額は27500W でした。

テンジャンチゲ
焼魚
ケランチム(韓国風茶碗蒸し)
もやしナムル
青菜ナムル
白菜キムチ
カクテキ
辛豆腐
ご飯

トゥブキムチ

13:10～13:30
都羅山展望台に着きました。
DMZに接する所にある、小高い丘から北朝鮮を眺める事ができ、ジオラマやビデオ(韓国語&英語)による解説があります。
建物に、分断の終わり・統一の始まり‥とスローガンが掲げられています。

ここから北朝鮮を眺める事ができるのですが、あいにくの天候でガスがかかってしまい、なにも見えませんでした。
天気が良ければ、開城工業団地や金日成像まで見えるのですが、残念です。

13:40～14:40
DMZ 南侵第3トンネルに着きました。

見学順序です。
↓
①まず、建物内で8分間のビデオ観賞をします。
日本語ヘッドホーンを貸してくれます。

②次に展示物のブースを観覧します。

③トンネルに入る前に、所持品は全てロッカーに預けます。

④トンネル内部は狭く頭をぶつけやすいので、シャトルトレインコースは青色、徒歩コースは黄色のヘルメットを着用します。

⑤おのおののコースでトンネルに入り、見学します。

内部の撮影は禁止されています。
監視カメラがいたる所にあり、見学者の様子を監視しています。
悪質な行為は、地上に戻った時に軍から厳重注意を受ける事になります。
マナーを守って見学しましょう。

トンネル内は撮影禁止なので、展示館にあった発見当時の写真です。

北韓軍(北朝鮮)が南側への侵攻を目的として掘削した長さ1635mのトンネルで、1978年に発見されました。
ソウルから52キロの地点に位置しており、完全武装した北韓軍兵士3万人が1時間以内に移動できる規模だそうです。

トンネル内は撮影禁止にもかかわらず、欧米人観光客が通訳ガイドに記念撮影をさせていたのですが、トンネル内には監視カメラがあり、見学者の行動を監視しております。
シャトルトレインを降りた所で、軍兵士から厳重注意を受けていました。
更に、バスに乗っていた乗客全員のカメラを軍兵士がチェックする事態にもなってしまいました。
マナーは守って見学をお願いしたいとの事です。

15:00
再び、DMZトレインに乗って、都羅山駅を出発します。
ここから北韓(北朝鮮)に向かって列車が走る日はいつくるのでしょうか…

DMZトレイン‥片道8900W.
都羅山15:10→臨津江(15:20〜16:40)→ソウル17:47

15:20
民統線を越えて、臨津江駅に戻って来ました。
列車は臨津閣を散策する時間として、80分ほど停車します。

DMZトレインの運行開始以前は、ソウル駅から広域鉄道.京義線に乗ってムンサン駅でローカル列車に乗り換えて臨津江駅に来て、ここでDMZ安保観光の申し込みをしました。
今は、ムンサン-都羅山のローカル列車は廃止され、DMZトレイン1本だけの運行となった為、建物はもぬけの殻になっていました。

※DMZトレインを利用しないで、安保観光を行いたい場合は、ムンサン駅から58番のマウルバスに乗り、臨津閣駐車場にある臨津閣DMZチケット売場から安保観光シャトルバスに乗る事ができるようです。
↑　↑　↑
廃止された臨津江駅DMZチケット売り場にあった張り紙と韓国観光公社の情報なので、この方法で行かれる方は事前確認をお願いします。

ラングーン事件殉職慰霊碑です。

1983年10月9日にビルマ、ラングーンにおいて公式訪問中のチョンドゥファン大統領を狙い、北朝鮮の工作員が爆発テロを起こし、大統領は爆弾を避ける事ができたが、韓国側閣僚及び随行員17名の尊い命が犠牲となりました。。

朝鮮戦争で使用された、0-1 BIRD DOG 戦闘機です。

臨津閣(イムジンガク)は朝鮮半島統一を祈願する為に立てられた観光地で、1972年に建設が進み、軍事境界線から南へ7キロしか離れていません。
敷地内に望拝壇があり、毎年旧正月と旧盆の節日に失郷された方々が祭祠を行う所があります。

展望台からの眺めです。
目の前に民統線(民間人統制線)が敷かれ、正面の川‥臨津江から向こうはさっきまでいた民間人統制地域で、自由に往来ができないのが、悲しい現状です。
朝鮮半島分断の辛さや悲しみ、さして自由と平和の大切さを深く感じらます。

自由の橋‥です。
1953年、朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた後、捕虜1万3000人あまりが橋を渡って南へ帰還する際、「自由万歳！」と叫んだ事から、自由の橋‥の名で呼ばれるようになりました。
今の`自由の橋`は、当時の模様を再現したレプリカです。

橋の先端部には、たくさんの人々の想いやメッセージが、フェンスにくくりつけられています。

終戦間もない頃の自由の橋の様子です。
北から臨津閣方面を見ています。
破壊された鉄橋が痛々しいです。

北朝鮮の爆撃を受けて放置されていた蒸気機関車です。
約1020箇所の銃弾跡が悲惨な戦争の実態を物語っています。

有刺鉄線の先‥北朝鮮の方角をじっと見つめる村上氏です。
日本に残して来た家族の事を思っているのでしょうか…
家族と一緒にいれる事を、心の底から感謝できる喜びを今回の視察で学びました。

帰りの車中は、アテンダントさんが個々の乗客をデジカメで撮影したものを車内モニターで公開したり、懸賞みたいなイベントがありました。

17:35
予定より早くソウル駅に到着です。
あいにくの天気でしたが、充実した視察になりました。
もう、お腹ペコペコです。
晩餐会に向かいましょう。

鐘路5街で下車して、昨晩に続き、ソウル在住の小嶺氏(仮名)と合流しました。

そんでもって、広蔵市場(カンジャンシジャンと言います)‥にやって来ました。
市場内は、韓服店、贈答品屋、食料品、飲食店、屋台が密集して、たくさんの人で賑わう市場です。
日本では簡単に食べられなくなったユッケの食堂も軒を連ねています。
今夜はユッケに決定! です。
小嶺氏に案内して頂きます。

ソウル地下鉄1号線
ソウル→鐘路5街‥1150W.

うわぁ〜美味しそうですね。
パジョン(具材に卵や小麦粉をつけて油で焼いた物)にピンデトック(緑豆をすりつぶした生地に具材を入れたお焼き)が並びます。
こんな雨の日は、これらを肴にマッコリで一杯…を韓国の方々は好むそうです。

広蔵市場の鐘路ユガネピンデトックと言う食堂に入りました。
夕食は、日本では食べられなくなったユッケにピンデトックです。
マッコリで乾杯しましょう。
ゴンベ！

ユッケ‥13000W.
ピンデトック‥8000W.
長寿マッコリ‥3000W.

続いて、牛肉の刺身です。
口の中で肉の旨味がとろけます。

膾刺身‥29000W.

モドゥムジョン(ジョン盛り合わせ)も頂きましょう。

ピンデトゥック、豆腐、ソーセージ、カニカマなど色々な具材のジョンとピンデトックの切れ端を盛り合わせてあり、たくさんの味が楽しめます。

モドゥムジョン(2人分)‥10000W.

広蔵市場は、アーケードにたくさんの屋台があって賑わっています。
二次会は、屋台で一杯やりましょう。

69号の屋台に席を陣どりました。
女将さん‥美人です。

色々な料理が所狭しと並んでいますね。
①おでん‥日本のおでんと同じ感じで、練り物を串にさしてダシ汁で煮込んだ物。
②トッポッキ‥餅を甘辛いソースで和えた物。
③スンデ‥豚の腸に春雨や豚血を詰めて茹でた物。
④チョッパル‥豚足をニンニク、生姜、カラメルなどで煮込んだ物。
⑤チャンチククス‥にゅう麺みたいな麺料理です。
⑥麻薬キムパプ‥広蔵市場名物で、中毒になるほど旨い海苔巻きだそうです。

こちらには‥
⑦タッパリ‥鶏足の辛味ソース和え
⑧チャプチェ‥春雨と野菜の炒め物
⑨ホリハプ‥麦飯ビビンバの具材が並んでいます。
どれもみんな、美味しそうですね。

チョッパル・タッパリ・トッポッキ…に焼酎など頼んで26000ｳｫﾝくらいだったような気がします。

韓国の食を堪能し、酔いがまわった事もあり、タクシーの中で大声をあげながらホテルに戻って来た村上氏です。

もぉ食えねぇよ～と言いながらもコンビニで買ったラーメンを一口だけ食べて、残りを「お前、食え!」と言いながらバタンキュー！です。

楽しい一日になりました。
私も常宿に戻って寝る事にします。

つづく。