1988/08/16 - 1988/08/27
1117位(同エリア8724件中)
Flocons-de-neigeさん
- Flocons-de-neigeさんTOP
- 旅行記154冊
- クチコミ292件
- Q&A回答10件
- 328,108アクセス
- フォロワー46人
昭和63年は青函トンネルが開通し、本州と北海道が鉄路で結ばれ、青函連絡船が廃止となった年です。翌年1月に昭和天皇が崩御されて長い昭和の時代が終わり、この年の夏は昭和最後の夏となりました。当時東京から九州方面に、寝台列車とマイカーを載せた貨車を連結して走るカートレインが運行されておりこの年に青函トンネルの開通を期して北海道へも同じカートレインが運行されることになりました。長距離を運転することなく、自分の車で北海道旅行ができるというなかなか魅力的な手段です。自家用車で本州から北海道へ行こうと思えば青森、大間、大洗などからフェリーという手もありますが、いずれにしても船で海を渡る必要があり、青函トンネルを列車で通るのはこの列車が唯一の方法でした。残念ながら現在は運行されておらず。ドーバー海峡線のような列車によるカーフェリーの運航も新幹線との兼ね合いで今後も厳しいでしょうね。この年の夏、この列車を使って家族4人の北海道旅行へ行ったのでした。当時はのちにバブルと言われる好景気の最中でしたが、うちには特に恩恵はなく、まあ家族揃って元気で旅行ができるってだけでもありがたいことですが。いまから見てみると当時はまだ高速道路も短い区間しかなかったり、逆に新道ができて廃止されてしまった道路もあります。最近になって北海道百年記念塔も取り壊されてしまいました。
札幌から小樽、積丹半島を訪れ、その後、富良野を経由して旭岳温泉、然別湖経由で糠平温泉、さらに洞爺湖温泉とまわり函館から帰りは青森へフェリーで渡り、東北自動車道で帰るというルートです。まずは札幌までの旅です。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 船 JR特急 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
恵比寿駅貨物ターミナル、このころにはすでに貨物駅は廃止になっており跡地なのですが、東京からの出発地として当時は利用されていました。自家用車は手前に見える特別なパレットに乗せて右側の有蓋貨車に乗せられます。貨車の後ろに4両の寝台車(といっても1両は電源車、非電化区間で客車に電気を供給するための車両です)が連結されています。寝台車は上下2段のB寝台で、4人家族だとちょうどひとつのコンパートメントになります。車内には食堂車もなければ車内販売もないので、飲食物は自分たちであらかじめ持ち込むようになります。廃止された貨物駅ということで周囲にはほとんど何もなく、コンビニが一軒だけあり、当時の店員の方の話だとカートレイン運行される日だけは食品など多めに仕入れていたそうです。写真で見ると恵比寿からはブルーにクリーム色の帯のある電気機関車のEF65が牽引しているようですね。このあと貨車に車を積み込むと機関車は反対側に付け替えられて客車側からけん引していたようです。その理由は次に。
出発は恵比寿駅14:48、到着は白石駅9:22です。恵比寿駅 駅
-
午後に東京を出発し東北本線を延々と走り、開通間もない青函トンネルを通過し北海道で朝を迎えます。考えてみるとこのあと鉄道で北海道に行く機会がなかったからトンネルに入ったのは、今の今までこの一回きりでした。(英仏海峡トンネルのほうが、よほど何度も乗ることになるとは思いませんでした)結構な長旅ですが、移り変わる景色を眺めているだけでも退屈はしなかったように思います。
車と札幌まで一緒なので乗降のための停車はありませんが、機関車の交換やいろいろ運行上の理由で停車することは多く、ここは東室蘭あたりだったと思います。写真だとこのあと苫小牧にも停車していますね。停車時間中、扉は開いてくれるので、こうやって写真を撮ったりはできました。機関車は赤い塗装のDD51ですね。
黒磯から青森の交流区間はED75、青森から青函トンネル区間がED79。五稜郭から先がこのDD51です。五稜郭では進行方向が逆になりますが、その際に普通は機関車だけが移動(この場合は交代)で接続されるのですが、この列車では客車部分も機関車側についていって移動していたそうです。貨車で万一火災が起きた際に貨車だけを客車側から切り離して機関車と逃げられるようにするということで、長い青函トンネル区間も考慮されていたとはいえかなり安全にはマージンがとられていたようです。東室蘭駅 駅
-
札幌では白石駅が終着になっています。ここで車も貨車からおろされます。
敷地が売り地になっていますね。発足まもないJRのうちでも特に北海道は苦しい状況でした。それでもこの時期は土地の値段が高騰していた時期なんでこのとき売っておけば・・・
ちなみに運賃は車1台と一人分の運賃で36,200円、大人一人が加わるごとに16,000円(特急運賃、寝台料金込み)追加となります。うちは大人4人でしたから84,200円でした。ちなみに当時は消費税はありません。白石駅 (JR) 駅
-
こちらの貨車が最後尾、カートレインのマークがとりつけられていますね。
-
貨車の扉が開けられて、フォークリフトがやってきました。
-
車は貨車に3台、こんな風に乗せられています。5ナンバーのセダンなどなら問題なく乗せられますが、全幅や車高の関係で大きい車は乗せられなかったようです。このことも運行が続かなくなった理由のひとつでしょうか。今はさらに普通自動車の幅が広くなっていて同じ車両での運行はますます難しいでしょうね。車は完全にカバーされていますのでその点は安心です。全幅は1690mmまで。うちの車の昔の仕様を調べたらちょうど1690mm、5ナンバーぎりぎりいっぱい。
-
フォークリフトが1台1台パレットごとひきだしてくれます。だからかなり時間はかかりますね。のんびりした旅行ならこういう時間も楽しいのですけれど、効率重視で時間に追われるようになってはなかなか難しいのでしょうか。
-
車を受け取ったら、まず給油。青函トンネルの火災予防の点から貨車に乗せるときはガソリンは最小限にするようにと言われていました。
白石駅からは近い百年記念塔にまず行きました。百年記念塔 名所・史跡
-
塔からのながめ。昭和の札幌近郊の風景。当時もエレベーターは使えず階段で。ちなみに最近、この塔、構造が複雑で維持するための修復に費用がかかるということで取り壊されてしまいました。北海道やこの地域の象徴的建物で遠くからでもよく見えた塔です。残念というより、そんなんでいいのかと。
-
よく見るとこの先の月寒のあたりに大きなテントみたいな構造物がいくつも映っています。実はこの年、悪名高い「世界・食の祭典」というのが開かれていて、その会場なんですね。ちょうどこのときにやっていたけど、あまりの評判の悪さに素通り。博覧会は巨額の赤字を出して税金で補填。道知事は責任も取らずにバックレて、その後の○○党政権へとつながっていくという。歴史って恐ろしいね。
-
その後、北海道開拓の村へ、ここは歴史が止まっているから今でも変わってないんだろうなあ。村の入り口にこの施設のシンボル的存在の旧札幌停車場の駅舎。とてもモダンで美しい建築です
旧札幌停車場 名所・史跡
-
村はかなり広い敷地に余裕をもっていろいろな歴史的建築が保存されています。なんとなく西部劇に出てくる村みたいな雰囲気です。
-
-
村の中は鉄道馬車が走っていて、移動に利用できます。馬一頭で引けるんですね。力持ちだな。
-
昔の病院の施設。消毒の臭いがしそう。
-
いつの時代も病院ってちょっと怖い雰囲気
-
-
漁師の網元の建物でしょうね。
-
-
旧浦河支庁庁舎
市街地、山村、漁村とエリアに分かれて移築された建物や復元された建物があります。 -
次ぎは羊ヶ丘の展望台へ。まだ札幌ドームは当然ありません。それ以外はあんまりかわらないかな。
さっぽろ羊ヶ丘展望台 名所・史跡
-
クラーク博士の像、このころはまだ青年でしたけどねえ。
さっぽろ羊ヶ丘展望台 名所・史跡
-
市内に入って、旧北海道庁へ、内部も見学しました。この建物は今も変わってないけど周囲には高層建築がどんどん増えましたね。
北海道庁旧本庁舎 名所・史跡
-
-
北海道大学植物園。バラがかなり咲いていますが、秋のバラなんでしょうかね。
-
北海道大学植物園 公園・植物園
-
南極物語でも有名になった奇跡の犬、タロの剥製です。
-
絶滅した、というか絶滅させてしまったエゾオオカミ。明治維新は動植物とうまく共生してきた日本の知恵を壊してしまった面もありました。いまになってエゾシカが増えすぎて、狼の輸入を検討しているくらいで。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
北海道1984-2018
-
前の旅行記
青函連絡船で行く初めての北海道前編 今は見られぬ層雲峡小函の絶景
1984/07/27~
函館
-
次の旅行記
カートレイン北海道で行く、昭和最後の夏の北海道②本当に秘境だったころの積丹へ
1988/08/17~
積丹半島
-
青函連絡船で行く初めての北海道前編 今は見られぬ層雲峡小函の絶景
1984/07/27~
函館
-
カートレイン北海道で行く青函トンネル開通、昭和最後の夏の北海道1
1988/08/16~
札幌
-
カートレイン北海道で行く、昭和最後の夏の北海道②本当に秘境だったころの積丹へ
1988/08/17~
積丹半島
-
カートレイン北海道で行く、昭和最後の夏の北海道③富良野、旭岳、十勝
1988/08/18~
富良野
-
カートレイン北海道で行く、昭和最後の夏の北海道④糠平温泉、然別湖、東雲湖
1988/08/19~
糠平湖・然別湖周辺
-
カートレイン北海道で行く、昭和最後の夏の北海道⑤完結編、フェリーで青森へ
1988/08/20~
函館
-
神威岬にウニを求め在りし日の小樽朝里川温泉宏楽園に泊まる旅
2012/08/25~
朝里川
-
スバルBRZのレンタカーで行く夏の積丹、ニセコ、洞爺湖の旅。
2013/08/23~
ニセコ
-
ヤナセ・プレミアムレンタカーで行く夏の積丹半島の旅、台風も来るけどウニが食べたい!
2016/08/19~
積丹半島
-
七月連休に行くラベンダー満開の北海道 前編
2017/07/14~
積丹半島
-
七月連休に行くラベンダー満開の北海道 後編、花畑めぐり
2017/07/14~
富良野
-
いつもと違う秋の札幌、藻岩山の夜景レストランに札幌ドームにビール工場
2017/09/30~
札幌
-
いつもと違う秋の積丹、貸し切り!?水中展望船
2017/10/02~
積丹半島
-
日本一早い紅葉に雪。冬が来てしまった旭岳温泉
2017/10/03~
旭岳・天人峡・白金
-
十勝岳温泉から秋の美瑛、富良野
2017/10/04~
美瑛(びえい)
-
秋のフラノ寶亭留、山から冬が下りてくる
2017/10/05~
富良野
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 北海道1984-2018
0
28