第39回海外放浪/香港&中国･その4.香港から陸海路で横浜へ帰る② 中国鉄道紀行.T212次(深セン→上海南)乗車記

9:42
さぁ、中国に入境しましたよ。
立派なイミグレーションビルが建っています。
深圳は治安があまりよろしくないみたいなので注意しなくては…

入境してすぐ右側に羅湖商業城と言う商業施設とバスターミナルがありました。
なんでもここは偽物天国らしく、日本語での勧誘に出くわしてしまいました。

左側が深圳站です。
上階が入口らしいです。
脇の階段をあがったのですが…。

入口らしき所は施錠されていて建物の端まで来てしまいました。

駅構内を見渡します。
すごいガードですね。
なにもここまで金網を張らなくてもいいと思うのですが…

9:53
駅舎の反対側に来たけど、入口と切符売場が見つかりません。
いったい、どこなんでしょう。

駅の脇にある、厂珅国際大酒店と言うホテルに桑拿(サウナ)を見つけました。
今夜は車中泊となる為、風呂に入れないので、サウナに入ってから列車に乗りたいと考えているのですが、予約した列車の切符を手に入れる事が先です。
所で切符売場と入口はどこにあるんだ？
汗だくで探していますが、まだ見つかっていません。

10:06
やっと入口を見つけました。
さっき、上った階段の目の鼻の先にありました。

階段を上って赤い屋根の下を歩いてしまったので入口を素通りしてしまいました。
階段を上らなければよかった‥
もう、汗ビッショリです。

10:10
列車の予約はしてあるのですが、正式な切符と引き換えなければなりません。
並んでいますね。
やはり順番待ちをしなくてはならないようです。
昔は外国人窓口があったらしいですが、今はないようです。
人民と同じように並びます。

10:50
暑い中、40分並んでやっとチケットを受け取りました。
ひとりひとりの発券に時間がかかっていましたね。
割り込みはなかったのは正直ビックリ！。
中国都市部ではマナーが良くなってきたようです。
初めての中国なので昔の事は体験していませんが、以前はとにかく窓口に群がり切符一枚を手に入れるのに一苦労だったそうです。

今回、「アラチャイナ」と言う旅行社のサイトで切符を手配しました。

アラチャイナ旅行社…785元(16485円)
※T212次乗車券‥613元(12873円)
※手配手数料‥90元(1890円)
※カード決済手数料‥82元(1722円)

http://www.arachina.com/train/china-trains/
[アラチャイナ]で検索。

私が乗るT212上海南行きは、寝台、座席共に満席です。
旡座は空きが有になっていますが、これは席なしの切符です。
日本で言ったら立席と言う事になります。
今でも中国の列車は、当日での席の確保が困難なんですね。
手数料を払ってでも予約しておいて正解でした。

11:10
暑くて喉がカラカラです。
コンビニを覗いてみましょう。

上好佳と言う製菓会社が製造している、かっぱえびせんにそっくりな「鮮蝦条」と言うお菓子と、雪碧(スプライト)を買いました。
物価は若干香港より安いですね。

鮮蝦条(えびせん)‥5元(105円)
雪碧(スプライト)‥2.5元(53円)

お腹がすきました。
列車に乗る前になにか食べておきたい所です。
地下街の入口に、味道と言う看板がありますが、食堂街でもあるのでしょうか？
入ってみましょう。

11:25
中は単なる地下商店街で、食堂街ではありませんでしたが、粤点王と言う飲茶屋さんが1軒ありました。
ここに入りましょう。

三絲炒米粉(炒めビーフン)にしました。
具材はハム.青菜.タマゴとシンプルです。
何で味つけをしているのかわかりませんが、香ばしい香りが食欲をそそります。

三絲炒米粉(炒めビーフン)‥20元(420円)

再び、駅に戻って来ました。
左奥はイミグレーションです。

サウナで汗を流したいのですが、日本のように列車の時間に乗り場へ行けばよい‥と言うわけではないようなので、サウナは諦めます。(悔)

11:40
中国の鉄道駅は、列車に乗る人しか駅構内に入れないようです。
そんでもって並ばないといけません。
人民と共に列に加わります。

かなりゆるゆるですが、飛行機みたいに手荷物検査があります。

駅構内を見てみましょう。
ケンタッキーがありました。

こちらはコンビニです。

本屋さんですね。

電子機器の店もありました。

体じゅうが汗でべとべとです。
今夜は車中泊なので風呂もシャワーもありません。
仕方ないので、トイレの個室に入って汗拭きシートで体を拭きました。

中国の鉄道は、列車ごとに待合室があり、駅員の指示でまとまって列車に行きます。

荷物が多い方の為に、日本では見られなくなった赤帽さんがいます。
10元で荷物を運んでくれるようです。

12:33
列車へ移動の指示がありました。
一応列はできていたのですが、改札門が開くと人民が群がり押せや押せやの状態に…
ここでひるんではいけません。
私も人民に混じって前進します。

列車は18両編成と長いです。
自分の乗る車両を目がけてひたすら歩きます。
なんだか、ワクワクしてきました。

私が乗る、特快T212次.上海南行です。
特快は日本で言う特急列車で略号はTです。

サボ(列車方向案内板)に広州とありますが、この列車は広州を経由しません。

12:44
列車に乗りました。
軟臥車の車内です。
4人部屋が並んでいます。

ジャーン！
今回は私、中国初心者なので、奮発してこの列車の最上級クラスの軟臥を利用します。
各部屋2段ベッドの4人部屋になっています。
日本のA寝台と同等とうたっていますが、このレベルだと日本の2段式B寝台と言う所でしょうか。
各ベッドを仕切るカーテンがありません。

私の席はこの上段です。
インターネットで中国の旅行会社に手配して頂いたのですが、上段か下段かは選べませんでした。

荷物置場です。
ゴミが散乱していますね。
中国だと清掃はこのレベルです。

客室内設備です。

左上‥造花とポット。
右上‥テーブル下にあるゴミ箱。
左下‥電源コンセント(変換器をかましてスマフォを充電しようとしたがダメでした。
右下‥車内放送音量調整ツマミ。

反対側のプラットホームには赤い客車が…
どこに行くのかな？

車内共用設備を見てみましょう。
熱湯器です。
中国人はお茶やカップ麺が好きなので必需品です。

洗面室です。
水しかでません。
使っている人はあまり見られませんでした。

トイレです。
和式でなく中華式と言ったらいいのでしょうか…
排泄物は中国大陸の大地に垂れ流しなので、停車中は使用できません。

タバコはデッキで吸えます。
分煙しているようですが、デッキで吸ったタバコの煙がダクトを伝って客室内に入ってくるので意味がありません。

硬臥の車内です。
日本で言う3段式B寝台ですね。
蚕棚のようなベッドが並んでいます。
日本も初期のB寝台はこんな感じでしたが、サービス向上の為に2段式B寝台が主流となり、3段式B寝台は姿を消していきました。
中国では3段式の硬臥がまだまだ主流です。

硬臥(深圳→上海東)‥391元(8211円)

硬座呼ばれる座席車の車内です。
座席がとれない旡座(立席客)も加わり車内はギュウギュウです。
中国の過酷な鉄道の旅を味わえます。

※写真を撮りたかったのですが、硬座車に行く事ができず画像はありません。

硬座or旡座(深圳→上海東)‥234元(4914円)

13:10
定刻に深センを発車しました。
これから1684キロ、約19時間の列車の旅が始まります。

発車すると服務員(車掌)が検札に来て、切符を預かり写真のようなカードをくれます。
下車駅が近づくと服務員が切符を返しにくるので、カードを返却します。

上段だと窓のわずかのスペースから写真のような姿勢で外を眺めることになります。
首が痛くなりそう…

郊外の街中を通過中です。
列車の走行音は静かでスピードも出ています。
ひっくり返らない事を祈ります。

16:00
東江と言う川に沿って列車は快走しています。
この時点で列車は30分遅れていました。

※河原→竜川.間で撮影。

17:06
だんだん山の中に入って来ました。

※竜川→?濺州.間にて撮影。

17:25
日本では滅多に乗ることができなくなった食堂車で夕食にします。

※車内販売は盒飯(弁当)15元(315円)?20元(420円)や果物など売るワゴンが車内を数回、まわって来ていました。

メニューはおかずが4種類.30元(630円)～40元(840円)に汁物.10元(210円)と米飯.5元(105円)だけです。

係員はヤル気がありません。
「よし、お前の注文をとってやる」…と言う態度で、共産圏にありがちな昔からのサービスを守っています。
ビール代を先に払ったのに後から「払え」と言われたので、言葉がわからなくても抵抗したら諦めてくれました。
ここは中国ですからね‥
気にしないことです。

夕食です。

番茄炒蛋‥30元(630円)
→トマトとタマゴの炒め物です。
少し冷めているけどサッパリ風味で旨いです。

米飯‥5元(105円)

純生(缶ビール)‥6元(126円)
→常温です。
　冷えたビールはないそうです。
　仕方ないのでフリスクで口の中をスースーさせてから飲むと少しだけ冷えた感じがしました。

食堂車で夕食を食べていると…
中国大陸の雄大な景色が車窓に広がりました。
小高い山々が地の果てまで続いています。
素晴らしい眺めです。
列車にして良かった…。

平地を走行している時に比べて列車はゆっくりと走っています。
峠を越えてゆっくりと勾配を下っていると山あいの集落が見えて来ました。

6:10
知らぬ間に寝てしまい、目が覚めたら夜があけていました。
今、どのあたりを走っているのでしょうか？
昨日まで良い天気に恵まれましたが、今日は雨です。

7:19
5:36に到着予定の杭州東は1時間40分遅れで出発。
大半の乗客はこの駅で降りていきました。

7:35
朝食です。
昨日、香港で買った出前一丁を頂きます。

遅れを取り戻す為に列車は飛ばしています。

ひっくり返るなよ…
脱線したら事故隠滅の為に車両ごと埋められてしまうからね。

鉄橋を渡ります。
なんと言う川だろう？
土地勘がないからさっぱりわかりません。

上海郊外には水郷古鎮と呼ばれる水路の街が点在しています。
列車の窓からも水路がたくさん目に入るようになりました。

動車組と呼ばれる中国版新幹線です。
速いけどすれ違ったのはこの1本だけ。
運行密度は低いようです。

通勤電車と並行するようになると…

上海南駅に入線です。

9:12
1時間遅れで上海南駅に到着しました。
深圳から1684キロを20時間かけて移動して来ました。
やはり中国はスケールがデカイですね。
楽しい鉄道の旅になりました。

つづく。