鈍行列車の北日本旅・その7.西津軽.五能線鉄道紀行。

13:22
第25走者
普通2830D.深浦行
川部.13:22→陸奥赤石.14:59
(49.8キロ/1:37)

これから、五能線の旅が始まります。
五能線(弘部～東能代)は青森県の西津軽地方から秋田県にかけて日本海沿いを走る全長147.2キロのローカル線です。
では、乗りましょう。

ボックスシートが並ぶ車内。
鈍行列車はこうでなくちゃなりません。

そんでもって‥
やっぱり、この席を陣取ります。

扇風機がない！？
よく見たら、この列車‥冷房車(なんて古い言い方)なんです。
窓を開けていたけど、慌てて閉めました。

リンゴ畑の中をコトンコトンと走ります。

五所川原駅です。
ストーブ列車で有名な津軽鉄道の古いディーゼルカーが留置されていました。

14:24
鰺ヶ沢で25分停車です。

左の列車は快速.リゾートしらかみ号(ぶな編成)です。
なんと、この列車はキハ40形と言うディーゼルカーなのですが、その原形は右の列車です。
右と左の車両が同じなんて信じられませんよね。
しかし、JRはリゾート列車用にキハ40形を大手術しちゃいました。
こりゃ、ビフォーアフターの世界ですね。

海が見えて来ました。

14:58
陸奥赤石に着きました。
ここで下車します。

宿のチェックイン時刻まで時間があるので、駅の周辺を散策してみたのですが、何もありません。

何もありませんが、道端に咲く花がきれいですね。

うわぁ！
黄金色の絨毯が広がっている。
今年も豊かな実りに感謝です。

海に行こうと、駅の脇にある獣道を歩いて行くと…

15:30
日本海です！。
午前中は雨が降ったりやんだりしていましたが、午後から天気が見事に回復しました。

きれいですね。
夕日が楽しみです。

15:42
今夜の宿‥「民宿.東洋赤羽」です。
五能線.陸奥赤石駅から徒歩5分くらいの所にあります。

こんにちは～。
お世話になります。

民宿.東洋赤羽
日本海の夕日の見える眺めの良い和室プラン‥7900円。
※楽天トラベルで手配しました。

お部屋は、本館3階の「寿老人」と言う8畳の和室です。
客室にバス.トイレはついていませんが、障子を開けると…

お部屋から日本海が見えます。

館内視察をしてみましょう。

まず、玄関フロントです。
民宿.東洋赤羽は、本館、新館があり、民宿とは思えない大きいお宿です。

新館の囲炉裏の間「羽黒」です。

新館の食堂「赤倉」です。
食事はこちらで頂きました。

コインランドリーです。

長旅の時は助かりますね。
洗濯機‥300円
乾燥機‥100円

新館2階のトイレのみ、ウォッシュレットがあります。

本館3階の洗面室です。
奥に和式トイレとコインランドリーがあります。

男性浴室は本館の1階です。
女性浴室は新館にあります。
温泉ではありませんが、24時間入浴可能で、広いです。
それでは、一風呂浴びるといたしましょう。

16:20
お風呂に入ってさっぱりしました。
祝福の一杯を頂きましょう。

缶ビール500ml‥370円

ビールを飲みながら、ぼんやりと外を眺めていると‥
雲の切れ目からきれいな光線が見えました。

あまりにもきれいなのでズームしてもう1枚。
来て良かった。

17:30
夕方になりました。
ちょっと雲が出てきましたね。
夕日を見に外に出てみましょう。

17:43
日本海の夕日が見たくてここまでやって来たのですが…
水平線に雲がかかってきてしまいました。

なんとか、ぼんやりと見えます。

真っ赤な太陽が日本海に沈むことをイメージして来たのですが、現実はそう甘くありません。
それでも、雨がシトシト降るよりはマシですよね。
ぼんやりながらも日本海が赤く染まってきました。

18:05
神様が、せっかくここまで来たのだから…
と日が沈む所だけ見せてくれました。

神様よ。
ありがとう。

おしまいです。

18:10
日本海の風にあたりながら、のんびりと宿に戻ることにしましょう。

18:20
夕暮れの無人駅。
なんか絵になりますね。

…と眺めていたら、突然大粒の雨が‥
猛ダッシュで宿に戻りました。

18:55
夕食です。

鮎の塩焼き
天ぷら(鱚:イカ春菊:ピーマン:南瓜:オクラ:ししとう)
イカ刺身
鶏肉の生野菜サラダ
赤キャベツの酢漬け
青菜とナメコの炒小鉢
めかぶ

まずは、生ビールで喉を潤しながら料理を頂きます。

生ビール‥540円

メインデッシュの「メバルの唐揚」です。
創業当時、女将の夢枕に観音菩薩様が現れ、「宿の逸品と成りすべし」と骨丸ごと頂けるメバルの唐揚を教えてくれる事になり、その後、試行錯誤を重ねて今のメバルの唐揚が誕生したとの事です。

さて、この辺で地酒を頼んでみましょう。
女将さんにお願いしたら、地元.鰺ヶ沢にある尾崎酒造の「安東水軍」を出してくれました。
白神山地の湧き水を使った淡麗辛口のすっきりとしたお酒です。

旨い料理に旨い酒。
生きててよかった。

本醸造辛口「安東水軍」‥750円

しじみのお澄ましと米飯で〆ましょう。

もう満腹、食えません。
ごちそうさまでした。

この後、爆睡です。

5:35
おはようございます。
今日は良い天気になりそうです。

白神山地の方を眺めます。
空気がヒンヤリして清々しい朝です。

鰊御殿です。
明治19年に建立された、築120年を越える藁葺き屋根の由緒ある建物です。
宿泊もできるそうです。

民宿.東洋赤羽は弘法大師様にゆかりがあるそうで、敷地内に大師堂がまつられています。

では、旅の安全を祈願して‥
摩訶般若波羅密多心経～

5:50
宿から歩いて10分くらいの大和田海岸にやって来ました。
昨日、夕日を見た海岸です。

ザバーン！。
潮風にあたりながらの散歩は気持ちがいいですね。

夏場の日本海はいたって穏やかです。

ローカル線の風景。
赤石川に架かる鉄橋を渡る列車を撮影したかったのですが、時間の関係で今日はこの写真で我慢します。

ズームすると‥
津軽の明峰‥岩木山が見えました。

7:10
朝食です。

焼きホッケ
イカ塩辛
めかぶ
目玉焼き
味付け海苔
米飯
味噌汁
香物

一日の活力を補う為、しっかりと食べていきましょう。
頂きま〜す。

8:10
8時にチェックアウトして陸奥赤石駅にやって来ました。
マッチ箱のような可愛い駅ですね。

8:26
第26走者
普通521D.弘前行
陸奥赤石8:26→鰺ヶ沢8:33
(6.4キロ/0:07)

弘前行きの鈍行列車に乗ります。
列車に乗ったら地元の方が「整理券とり忘れてるよ」と丁寧に教えてくれました。
東京では列車に乗るのに整理券を取る習慣がありませんからね。
「ありがどごず」
※津軽弁でありがとう。

8:33
次に乗る快速.リゾートしらかみ号は陸奥赤石に停まらないので、鰺ヶ沢に戻りました。

次の列車まで1時間以上あります。
鰺ヶ沢駅の周辺をブラブラしていたら海にでました。
きれいな砂浜です。

はるか彼方に北海道が見えました。

はまゆう公園に架かる「なぎさブリッジ」です。

なんじゃありゃ？
木がみんなマイケルジャクソンのようになっている。

冬の強風に耐えてああなってしまったんですね。
すごいです。

哀愁感が漂う路地裏ですね。

鰺ヶ沢駅近くにある「正八幡宮」です。
1766年(明和3年)、赤石組(現在の鰺ヶ沢町.深浦町.岩崎村)五十三ヶ村の鎮守祈願所として、七代藩主津軽信寧公が指定しました。

では、旅の安全を祈願して‥
パンパン.礼。

青森さ来たらトウキビを食べなくては‥
と、通りかかった八百屋さんで茹でたばかりのトウモロコシを買いました。

茹でトウキビ‥150円

鰺ヶ沢駅前にある「スーパーとびしま」です。
ここで、食料を調達していきましょう。

グルコサミンでお馴染みの「舞の海関」は鰺ヶ沢出身なんですね。
それから、鰺ヶ沢には映画やテレビで話題の人気犬「わさお」が七里長浜きくや商店でお客さまをお迎えしているそうです。

9:45
列車の時間が近づいてきました。
そろそろ駅に戻りましょう。

9:56
キターッ！
快速.リゾートしらかみ号です。
リゾートしらかみ号は青池・くまげら・ぶな の3編成で運行されています。
この列車は環境にやさしいハイブリッド車両.HB-E300系の青池編成です。
ホームにいる方々も、我を忘れて写真を撮りまくっていますね。

第27走者
快速8522Dリゾートしらかみ2号.秋田行
鰺ヶ沢9:58→東能代12:24
(103.8キロ/2:26)

再び、鰺ヶ沢→陸奥赤石間の車窓です。

10:20
千畳敷に到着。
ここで千畳敷海岸の見物の為、15分の停車があります。
観光列車ならではのサービスです。

乗客の皆さんが千畳敷見物に行っている間に車内を見てみましょう。

すごく立派な車内ですね。
特急列車並みです。
リゾートしらかみは快速列車の指定席なので、普通乗車券プラス指定席券を買えば乗れます。
私の北海道&東日本パスでも乗れるのはありがたい事です。

こちらは、コンパーメントタイプのボックス席です。
1区画4名定員でゆったりしていますが、なんと！グリーン車ではなく、指定席券だけで乗車できるそうです。
JR東日本さん‥太っ腹ですな。

バリアフリー車椅子対応のきれいなトイレがあるので、長時間の乗車でも安心ですね。

列車の最前部と最後部は、展望室になっていて五能線の美しい風景を満喫することができます。

こちらはイベントスペース。
列車によっては、津軽三味線の演奏や、津軽弁による「語りべ」の実演があります。

運転席からの景色が車内モニターに映しだされます。

千畳敷海岸です。
昔、津軽の殿様が千枚の畳を敷いて大宴会をした‥との言い伝えがある広い石畳の海岸です。
太宰治の小説「津軽」ゆかりの地でもあるそうです。

乗車の皆さん‥なにやら買ったものをぶら下げて帰って来ます。
なんだ？‥
と、思って行ってみると‥

焼きイカを売っていました。
民宿田中と千畳敷観光センターの2店が競っているようですが、民宿田中の方に軍配があがっています。

民宿田中のおばちゃん達は楽しそうに仕事しているのに対して、千畳敷センターのおばちゃんは、客が民宿田中に流れてしまうせいか？
ちょっと、ふてくされていた感じでした。

買ってしまいました。

でもって、イカ焼き食べるならビールも‥
と言う数式がなりたちまして、夕方まで我慢しようと思っていたのですが、誘惑に負けてしまいビールも購入。
ビールは350ml缶が350円と観光地価格でした。

焼きイカ‥300円
缶ビール‥350円

千畳敷から先、いよいよ奇岩が連なる海岸線が車窓に現れます。
列車は美景ポイントで減速運転をしてくれます。

千畳敷→深浦.の車窓風景です。
美景が続きます。

展望室からの眺めです。

そろそろ昼食にしましょう。

鰺ヶ沢のスーパーで買った物です。

マーガリンサンド‥108円
→青森県のご当地パン‥工藤パン製のマーガリンサンドは、食パンにマーガリンが塗られただけのシンプルなパンです。

筋子おにぎり‥148円
梅干おにぎり‥100円
チーズバーガー‥60円
マーガリンサンド‥108円
あおもりリンゴジュース‥98円

いっただきまーす‥ と食べようとしたら…

ウェスパ椿山製マグカツドッグの車内販売が来ました。
地元深浦町産のクロマグロをメンチカツにしてパンに挟んだものです。
限定販売の文句に釣られて1本購入。
ボリュームたっぷりのあっさり味です。
これ1本でお腹いっぱい‥
おにぎりとパンは食べられなくなってしまいました。

マグカツドッグ‥500円

ウェスパ椿山→十二湖の車窓風景です。
美しい景色がずっと続きます。

秋田.青森の県境付近です。
景色が良いポイントなので、ここでも列車は徐行して走ります。

うん、素晴らしい。

日本海から離れ、米代川を渡ると…

能代に到着。
ここで、リゾートしらかみ(ぶな編成)と列車交換をしました。

12:24
東能代に到着しました。
ここで五能線はおしまいです。
乗り換えの為、下車しました。

ホームの隅にちょこんと五能線起点の看板がありました。
その隣はリゾートしらかみ(くまげら編成)をモチーフにした待合室です。
中では地元の高校生が列車の待時間を利用して勉強していました。
偉い！
秋田県の高校生は立派です。

リゾートしらかみ号は、進行方向を変えて秋田へ向け、出発していきました。
さよなら～

つづく。