悪天候に振り回された離島航路旅・その18.南大東シンタン丸でるんるん♪プチツーリング

5:08
皆様、おはようございます。
絶海の孤島‥南大東島に滞在中です。

5:13
早速ですが、行動を開始します。
南大東シクタン丸よ。
よろしく頼みますよ。

5:23
天気が良さそうなので、日の出を見に出ました。
着いたのは、島の東側に位置する「海軍棒」です。
日の出時刻は、5:28となっています。

5:28
あっ！

水平線から、太陽が顔を出してきました。

ズームしてみると‥
実際には水平線の雲の上からの日の出ですね。

すばらしい！

悪天候に振り回された離島航路旅‥
最後は、神様がほほ笑んでくれました。

奥に見える島は「北大東島」です。
あちらにも、行ってみたいですね。

5:48
日の出を堪能して、南大東空港にやって来ました。
この時間は人がおらず、ターミナルビルもシャッターが閉まっています。
羽田空港とは、大違い‥

制限区域の隅に、消防車がポツンと停まっていました。
かなり大きな消防者です。
飛行機が炎上した時以外は、出番がなさそうですが、それでいいのですね。

おじゃりやれ‥
八丈島方言ですね。
大東島は八丈島からの移民によって開拓された島なので、他の沖縄の島とは違った空気が流れています。

綺麗な花だ。
南国だな。

ブロロォォー
島をツーリングする筆者。

島の道をトコトコ走ります。

6:04
「ノエビア南大東海洋研究所」です。
こちらでは、水面から約200Ｍの海水を採取し、高品質な天然海水塩や海水濃縮ミネラルをバランス良く抽出することが出来る独自のプラントにて海水からの有効成分抽出の研究を行っているそうです。

おっとっと！
場所によっては赤土が道に積もって、ハンドルを取られやすいので注意が必要です。

6:16
島の北側にある「北港」に着きました。
島には、北側の北港・西側の西港・南側の亀池港の3か所の港(単なる岸壁)があり、メインは西港ですが、その日の海況によって那覇大東航路「だいとう」の入港地点が変わります。

クレーン車などがスタンバイしていますね。
私が乗船予定だった7月4日は時化で欠航となり、昨夜7月5日夕方、那覇を条件付きで出航した「だいとう」が、今日はこちらに入港するみたいです。

後で、見に行きましょう。

そろそろ朝食の時間です。
一旦、宿にもどりましょう。

割烹「喜作」
昨夜、たくさん食べると、お漏らししちゃう深海魚.インガンダルマを頂いた割烹です。
刺身、美味しかったなぁ。

南大東ネコ.2
こっち、睨んでますな。

6:31
宿に戻りました。

7:04
朝食です。
野菜は南大東で採れたものだそうです。
たくさん、食べましょう。

地魚の唐揚げ
紅芋の天ぷら
ウインナーソーセージ
スクランブルエッグ
生野菜
梅干
もやしチャンプル
焼き海苔
米飯
味噌汁
たくあん
麦茶
焼き海苔

7:40
再び「北港」へ‥

あっ！
那覇からの「だいとう」が、もう入港していますね。
昨夜、条件付きで出航しましたが、接岸できて良かった。
パチパチパチ‥

計画では、7月4日出航の「だいとう」で、南大東島に来る予定でした。
しかし、低気圧による時化で出航が昨夜7月5日に延期になりました。
7月5日出航だと、南大東島が日帰りになってしまうので、今回は色々ありましたが、飛行機でやってきました。

必ず、リベンジしてやるぞ。

ガソリンが降ろされています。
あのような形で、輸送されるのですね。
危険物を運ぶのも「だいとう」の使命なのです。

この後、出航の儀(単に眺めるだけ)に参列しようと、90分ほど見学しましたが、荷物が多く荷役作業がなかなか終わりません。
次は時間厳守なので、そろそろ行かなくては‥

9:18
さて、やって来たのは「星野洞」です。
なんでも、星野さんの土地にあるから、星野洞というそうです。
こちらの見学は事前に電話予約が必要で、9:30で約束してあります。

時間になると、係の方がやって来て受付をしました。
では、中に入りましょう。

ご予約先：大東観光商事(09802-2-4333)
受付時間は午前 9時～11時、午後 2時～4時です。

星野洞‥800円。

9:37
鍾乳洞へは、スロープを下っていきます。
帰りは右のベルトコンベアに乗って戻って来ます。

受付でタブレットを渡されました。
中の説明は、このタブレット(日.韓.中.英の4国語)で行います。

南大東島は、珊瑚礁がプレートに乗って移動しながら、いったん海面の下に沈み、それが再び隆起した島です。
その為、珊瑚礁を由来とする石灰岩でできており、島には100を超える鍾乳洞があるそうで、その中で特に大きく美しい鍾乳洞が、星野洞だそうです。

では、鍾乳洞内部に潜入しますよ。

中は、むわっとしています。
いろいろなタイプの鍾乳石を見ることができますが、これは最も代表的な鍾乳石である下から成長する「石筍」と、天井から成長する「つらら石」です。
そして、石筍とつらら石が合体すると「石柱」になります。
ちなみに鍾乳石の成長は100年以上でようやく1cmと言う説なんだそうです。

へえー

内部は暗いですが、ライトアップされており、懐中電灯を貸してくれます。
但し、足元は滑りやすいので注意しましょう。

お客様、前方をご覧ください。
こちらではたくさんのつらら石がご覧になれます。
つらら石は、地表から浸み込んできた地下水が鍾乳洞の空間に出るときに形成されるものである事から、これだけたくさんのつらら石があるとあるということは、地下水が豊富という事を意味しているんだそうです。

へえ～

中は広くて、奥深いです。
私の足音以外、物音がまったくしません。
神秘的です。

なにやらカーテンのようにヒラヒラとした鍾乳石があります。
天井が少し傾いていると、地下水も斜めに流れることになるので、このような形の鍾乳石になるんだとか‥
ちなみに、この鍾乳石の名はずばり、カーテンと言うそうです。

へえー

んっ？
あれは何だ？‥

岩陰に泡盛の瓶がありますね。
南大東島には高校が無く、中学を卒業すると子供たちは島外へと旅立ちます。
そこで、中学を卒業した子供たちが、ここに酒を納めていきます。
星野洞へと納めた酒は成人式で帰ってきた際に開封し、家族みんなで飲むという縁起ものなんだそうです。

これは感動する話しですね。

見学ポイントは1～10番まであり、各箇所でタブレットの説明を聞いていきます。
最後のポイント.10番に着きました。

この辺りの空間は、約640坪もあるそうです。
ここにも立派な鍾乳石があります。

星野洞は、大気/水/地形が織りなす地球の営みを語ってくれる、未来的に遺す地球科学的な遺産なのですね。
～と、タブレット説明が語って、見学は終わります。

帰路は、降りて来た階段を逆に上がって戻りましょう。

10:21
約45分間の鍾乳洞見学でした。
この草むらの下に、あのような鍾乳洞があるなんて信じられませんね。
来て良かったです。

「北港」に寄ってみると‥
北大東へ向けて、「だいとう」は出港した後でした。

天候不順で欠航が続いていましたからね。
降ろした荷物がたくさん並んでいました。

次、行きましょう。
サトウキビ畑の中を走ります。

10:42
さて、やって来たのは、南大東空港滑走路に沿った空き地です。

10:50に、那覇からのRAC861便が着陸する予定です。
着陸の儀(単に眺めるだけ)に参列しましょう。

11:25
なかなか来ません。
JALのサイトを見ると30分ほど遅れているようです。

暑い草むらで待つ事43分‥
あっ！
あれは‥

ブロロロロォー
プロペラの音が響いてきました。

来ましたよ～

11:26
着陸します。
ダン！

ゴロロロロォー
1500mの滑走路を滑るように着陸しました。

着陸成功。
パチパチパチ‥

以上を持ちまして、着陸の儀(単に眺めるだけ)を終了いたします。
あぁ、暑い.暑い！

次、行きましょう。

11:39
「バリバリ岩」に着きました。
南大東島は、フィリピンプレートに乗って1年間に7cm北西方向に移動しているそうで、その証拠となるのがバリバリ岩と案内板にあります。

では、行ってみましょう。

バリバリ岩は、まっぷたつに切り裂かれた岩山です。
その間を歩きます。

安全の為、ヘルメットを着用して探検する筆者。
単にバイクのヘルメットをかぶったままなだけです。

こんな岩窟も歩きます。
天井が低いです。
ヘルメットかぶってきて良かった。

岩壁に挟まれた、狭い道を下って行くと‥

二つ目の岩窟があり、その奥が‥

バリバリ岩の最深部です。
かつては、弾薬庫などに使われたことがあるようです。
この先は真っ暗で何も見えません。

では、来た道を戻りましょう。

11:57
「南大東漁港」です。
「だいとう」が接岸する、西港・北港は太平洋に剥き出しの岸壁があるだけなのですが、この港は島をくりぬいて作り上げたと言う前代未聞な港なんです。

断崖絶壁の海岸線が島を取り巻く南大東島では、漁船を係留できる港湾施設がなかったので、クレーンによる漁船の出漁・帰港が行われており、不便でした。

南大東漁港ができる前の南大東島です。
島の北側、赤枠の辺りに‥

※案内板の画像。

島を掘り起こして港を作ってしまおう！
～と、これまたスケールの大きい発想で工事が始まりました。
平成9年頃、海岸の岩壁はそのままに、中を掘り進める工事が進んでいます。

そして、平成12年11月。
島民にとって長年の夢が叶おうとしています。
村民総出の祝賀会が行われ、さぁ、これからどうなるのか？

ドーン！
海と湾内を仕切っていた岩壁が発破されました。
そして、南大東漁港の一部が供用開始されました。

いやぁ、すごいですね。

平成14年頃‥
第1泊地が完成。
しかし、これで終わりではありません。

平成16年頃‥
更に掘り進めていって、第2泊地までが完成しました。
～ですが、まだまだ続くんです。

平成18年頃‥
さらに奥へ掘り進めて、第3泊地まで完成しました。

これは、すごい工法ですね。
同様の工法で北大東島にも港湾施設を建設するようです。

12:05
「大東ゴルフ倶楽部」
なんと！
南大東島には、ゴルフ場もあるんです。

13ホールのショートコースですが、雄大な太平洋を眺めながらゴルフをエンジョイできます。
あの‥世界プレイヤーの宮里藍さんも中学生の頃にプレーされた場所なんだそうです。

島を一周する道を走っています。
島一周(海岸線)は20.8kmとパンフレットにありました。

12:13
南大東のメイン港となる「西港」にやって来ました。

ここも、海の色がビューティフル！

南大東シクタン丸。
海の色とシクタン丸のメタリックブルーがよくマッチしていますね。

断崖絶壁の海岸が島を取り巻いており‥

その断崖絶壁に無理矢理建設し、太平洋剥き出し岸壁が港湾施設です。
奥の岸壁に「だいとう」が接岸します。
接岸すると言っても、うねりが常に高いので岸壁から10mほど離して接岸。
クレーンに吊るされたゴンドラで乗下船する光景は大東島の風物詩にもなっています。

「西港ミレニアムパーク」
島の憩いの場として整備されました。
付近には、キャンプ場もあります。

島一周道路を走り‥

海岸線に下る道路を走る。
今日は天気がサイコーです。
来て良かった。

12:30
「塩屋海岸」です。
ゴツゴツした海岸が続き、とても泳げそうにありませんね。

そんな訳で、こちらにも岩をくりぬいた「塩屋海岸プール」があるのですが‥

ありゃ？
今の時間は満潮でプールが隠れてしまっています。
満潮時は危険なので遊泳禁止です。

そろそろ、集落に向かいましょう。
画像にありませんが道端のいたるところに、潰されたり、干からびて仏になったカエル様が転がっています。

12:38
「南大東国民運動場」
ネーミングが戦前の日本みたいですね。

村の中心に「給水塔」があります。
南大東村に簡易水道で飲用水が供給されるようになったのは昭和51年のことだそうで、右の給水塔は簡易水道施設当時に使用されたものだそうです。
現在は、左の給水塔が使用され、島のいたるところにある井戸から海水を汲み上げ、イオン交換膜で淡水化しているとのことです。

「南大東診療所」
戦前の病院はすべて会社の経営であったそうです。
昭和21年大東支庁が設置され日糖社の全資産と共に医療施設も沖縄民政府に移管。
政府から派遣された金城医師の指導のもとに、南大東診療所が開設されました。
　

「南大東村役場」
南大東村は人口1278人の村で、明治33年に開拓定住が始まり、終戦の翌年昭和21年6月に村制が施行され、平成18年6月に村制施行60周年を迎えた100年余の歴史の浅い村です。
有史以来、さとうきび作糖を基幹産業とし、島の砂糖か砂糖の島か砂糖工場に煙が上がりや南大東キビの波と唄われる砂糖の島で甘味資源の供給基地として栄えて今日に至っております。

沖縄電力「南大東電業所」です。
ディーゼル発電機で3640kwの電力を供給しています。

「大東糖業株式会社」
島の基幹産業であるサトウキビの年間収穫量は多いときで約８万ｔあり、こちらは製糖工場です。
煙突に描かれた「サトウキビは島を守り、島は国土を守る」のスローガンが印象的です。

■南大東事業所
現在の製糖工場。

12:50
お腹すいたな。
ここまで来たら、やっぱり'大東そば'を食べてみたいですね。
ホテルよしざとの前にある「富士食堂」に入りましょう。

メニューはご覧の通りです。
バイキングは、おばあちゃんが作ったお惣菜のバイキングです。
ここは、奮発して、この食堂の最高価格商品である、大東そば.すしセット1000円にしましょう。

大東そば(上)
島のガジュマルを焼いた灰と海水を煮詰めたかん水を作った手打ち麺‥
そばと言うよりうどんみたいな食感で麺にはコシがあり、あっさりだけどコクのあるスープと相性ばっちり！
沖縄そばとはまた違った、大東島独特の麺料理です。

大東寿司(下)
みりん醤油に漬け込んだマグロやサワラを酢飯にのせた名物寿司。
八丈島の島寿司がルーツです。

大東そば.すしセット‥1000円。
大東そば
大東寿司(マグロ)
ゴーヤチャンプル
大根なます
フルーツ

13:08
あぁ、美味しかった‥

さて、こちらは「月見池」です。
在所集落の近くに池が点在しています。
南大東島はスポンジのような地層で、下から海水が涌くので、池の水は上が淡水で下が海水なんだそうです。

13:13
「ラム酒工場」です。
この建物‥旧南大東空港旅客ターミナルビルディングなんです。
南大東空港の看板がそのままですが、現在は、グレイスラムと言うラム酒やサトウキビ酒の製造工場になっています。

ラム酒工場の裏手には、滑走路の跡が残っています。
そして、その隣には‥

13:15
「島まるごと館」があります。
島の生い立ちなどを知ることができる資料館です。
係員様が不在で、携帯に電話して下さいと張り紙がしてありましたが、時間の都合もあるので外観だけです。

13:26
「線路跡」です。
昭和58年まで活躍した、サトウキビ運搬列車「シュガートレイン」の線路跡が島の数か所に残っています。

13:32
最後にもう一度「日の丸山展望台」に立ち寄りましょう。

おぉー！
何度見ても、すばらしい眺めだ。

北西方向を眺めると‥

ズームすると、在所の集落が見えます。
白枠が泊まっている「ホテルよしざと」です。

13:53
島で唯一のガソリンスタンド「JAおきなわSS南大東SS」です。
ここで給油をとていきましょう。

走行距離は、91.3km。
給油は1.85Lで、298円でした。

14:00
奥山モータースに戻りました。
ここで、南大東シクタン丸とお別れです。

南大東シクタン丸よ。
ありがとう。
お疲れ様。

14:05
さて、ホテルよしざとに戻りました。
これから、空港に向かいます。
続きは次回です。

拙い旅行記をご覧下さいまして、誠にありがとうございました。

つづく。