ぶらり島旅/八丈島・その1.東海汽船「橘丸」乗船記(東京→八丈島)

22:00
皆様、こんばんは。
東京諸島で使える、プレミアム付き宿泊旅行商品券「しまぽ通貨」を使おうと、伊豆諸島と小笠原諸島航路の発着する客船ターミナルである、東京港竹芝桟橋にやって来ました。

22:00発のさるびあ丸.伊豆大島・利島・新島・式根島・神津島行か？
22:30発の橘丸.三宅島・御蔵島・八丈島行か？
どこの島に行くか迷ったけど、労働が終わってから船の出航時間までがタイトでありまして、勤務先から速攻で来たけど、さるびあ丸出航時刻に竹芝桟橋に着きました。
やっぱり、さるびあ丸は無理だったか‥

こんなこともあろうかと、22:30発の橘丸を予約して正解でした。

乗船券を購入。
私、伊豆諸島クラブの会員なので、東京～八丈島.特2等12,400円が20%割引となり、9,920円です。

昨年は、東京～八丈島.特2等会員20%割引で10,320円でした。
運賃には燃料油価格変動金が含まれているのですが、燃油代が少し安くなったみたいです。

出航を待つ東海汽船「橘丸」。
夜行航路は夜行列車同様、気持ちがワクワクしますね。

※東海汽船
→https://www.tokaikisen.co.jp/

東海汽船「橘丸」。
東京～三宅島～御蔵島～八丈島を結ぶ三八航路に就航する貨客船です。
スーパーエコシップとして、環境にやさしい船舶であります。

= 橘丸 =
船種‥貨客船
船籍‥日本/東京
所有‥鉄道建設.運輸施設整備支援機構・東海汽船
運用‥東海汽船
総トン数‥5,681t
全長‥118.0m
全幅‥17.0m
建造所‥三菱重工業下関造船所(第1169番船)
就航‥平成26年6月27日

乗船前に、恒例儀式を‥

乗るぜ、橘丸！
私が一番乗りです。

22:20
乗船案内がありました。
飛行機のようにステイタスはなく、優先乗船もないので私が先頭です。
では、乗船しましょう。

①東海汽船:橘丸.八丈島行
東京竹芝.22:30～(船中泊)～八丈島.8:55

案内所で個室の鍵を受け取る富裕層の上級船客を横目に、今夜の城へ。
特2等009番は‥
あっ！ここですね。

特2等室。
2段ベッドの船室です。
普通運賃で2等より4,130円高いですが、今回も奮発しました。
私の城は一番手前の下段です。

※特2等(東京～八丈島)‥12,400円。

2等寝台では、お決まりの折り畳み小網棚。
各寝台には、寝台灯とコンセントもあります。

また、画像はありませんが、毛布･シーツ･枕の3点セットが標準装備です。

100円硬貨を入れて鍵をかけられるBOXです。
貴重品はここに入れれば、ひとまず安心ですね。
100円は戻ってきます

そろそろ、出航時刻です。
甲板に出ましょう。

神聖なる出航の儀(単に眺めるだけ)に、起立して参列する筆者。(笑)

22:30
レッコ！
ホーサーがビットから外されました。

レッコ‥出航の合図でレッツゴーの略。
ホーサー‥係留用ロープ
ビット‥係留用鉄杭

ゴゴゴゴォー
巨大な船体が離岸しています。

東京～八丈島、約290km/10時間25分の船旅が始まりました。

出航の儀(単に眺めるだけ)に続いて‥

22:39
出航から9分。
レインボーブリッジの下を航行します。

大都会東京の夜景が美しい‥

八丈島も東京都なんだけど‥

東京よ。
さらばじゃ。

東海汽船ネコ船長が登場！
モニターで船内のご案内が放映されます。
昨年も見たけど、今回も見てみましょう。

右のイラストは、東海汽船キャラクター船長「キャプテンたちばな」です。
生みの親は東海汽船名誉船長の柳原良平氏。
平成26年6月27日「橘丸」の就航に併せて登場しました。

そして、左の美しい女性は、橘丸就航時に東海汽船2代目マスコットキャラクターを務めた「芹川香菜子」さんです。

東海汽船のマスコットキャラクターは‥
初代「田中ミリ」さん。
2代目「芹川香菜子」さん。
3代目「橘みづほ」さん ～と、引き継がれ‥
平成31年4月からは、4代目として、伊豆大島出身の「小池夏海」さんが活躍しています。

※従業員等個人が特定できる画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

救命胴衣着用方法の説明です。
芹川香菜子さんが実演してくれますよ。
これは重要です。
よく見て、理解しておきましょう。

※従業員等個人が特定できる画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

橘丸船内案内図。
橘丸は2F～6Fが船客区画となっております。
では、恒例の船内視察を始めましょう。

4Fから乗船すると‥
動線を考慮した直線基調のエントランスが船客を迎え入れます。

エントランスには、案内所があります。

両替機と船舶用衛星公衆電話を設置。
それから‥

船旅の救世主‥
G〇RO袋が配備されています。
航空機と同じハイグレード仕様です。

天気と海況情報なども掲示してあります。

今夜から明日にかけての海況は‥
東京湾内 波0.5m
伊豆諸島北部 波1.5m
伊豆諸島南部 波1.5m

この船なら問題ない海況です。
動揺も少なく快適な船旅が楽しめそうですね。

船内Wi-fi接続エリア。
陸に近い区域ではWI-FIがつながるようです。

自販機コーナーと飲食スペース。
ビールやドリンク類、冷凍軽食類、カップ麺などがあります。
アルコール類の購入は免許証が必要です。

↓自販機案内はコチラ(東海汽船PDF)
https://www.tokaikisen.co.jp/ourship/tachibana-room/pdf/menu_tachibana.pdf

レストラン橘のメニューです。

メニューは‥
橘オムライス
明日葉そば.600円
明日葉カレー.800円
ジャンボエビフライカレー.1150円
カルビ丼.900円
ラーメン.800円
鶏の唐揚げ.700円
～などが、あります。

あっ、レストランとラウンジ橘の画像を撮影するのを忘れた。
3回目の乗船なので、船内視察もゆるゆるです。
申し訳ございません。

東海汽船名誉船長.(故)柳原良平先生のイラスト。
橘丸の奇抜なカラーリングは柳原先生によるものです。

多目的トイレ。
橘丸は、バリアフリーにも対応しています。

2等室。
かつての就航船'すとれちあ丸'時代は大部屋雑魚寝だったので、混雑時、奴隷船のようになりました。
橘丸は指定制となり、各部屋10名前後で隣の方とは仕切りが設けられ居住性が向上しています。
貸毛布は1枚100円となります。
女性専用エリアもあります。

2等(東京～八丈島)‥8,270円。

メイクルーム。
授乳室。
キッズルーム。

女性やお子様連れのお客様にやさしい設備が充実しています。

手荷物置場。
通路に手荷物を置くことは安全上禁止されております。
大きい荷物やスーツケースはコチラで保管願います。

エレベーター。
乗船口からエレベーターを完備し、段差のないバリアフリーエリアへ移動が可能です。

コインロッカー。
スーツケース対応型です。

冷蔵コインロッカー。
生鮮食品を安心して預けられます。

給湯器。
船旅にかかせないカップ麺も調理可能です。
また、冷水器もあります。

橘丸に大浴場がありませんが、シャワー室があります。
コイン式で、5分間100円です。

洗面室です。
アメニティ類はなく、アルコール消毒液が配備されています。

一般のトイレ。
ウォッシュレット完備。
就航から5年が経過しましたが、清潔に保たれています。

5F～6Fは、1等･特1等･特等の上級船室のエリアです。
私のような下級船客は入れないので‥

毎度の事で恐縮ですが、東海汽船公式ホームページの画像でご了承願います。

1等室。
1室8名定員の相部屋です。
1人あたりのスペースが2等より広く、マットレスと毛布が備えられています。

※1等(東京～八丈島)‥16,530円。

※1等室の画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

特1等室洋室。
2段ベッドの4名定員のお部屋です。
シャワーとトイレが設けられています。

※特1等(東京～八丈島)‥19,840円。

※相部屋はありませんが、定員以下での利用には船室貸切料金又はルームチャージ料金が必要となります。

※特1等洋室の画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

特1等室和室。
絨毯敷きの4名定員のお部屋です。
シャワーとトイレが設けられています。

※特1等(東京～八丈島)‥19,840円。

※相部屋はありませんが、定員以下での利用には船室貸切料金又はルームチャージ料金が必要となります。

※特1等和室の画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

特等室。
橘丸の最上級船室です。
シティホテル並みのツインルームとなっており、各室にはシャワーとウォシュレットトイレがついています。

※特等(東京～八丈島)‥23,140円。

※相部屋はありませんが、1名様での利用には船室貸切料金が必要となります。

※特等室の画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

5F甲板です。

23:03
竹芝出航から33分。
羽田空港沖を航行中。
ポツンと見える光(白矢印)は着陸する航空機です。

この辺りまで来ると、船尾から‥
①東京タワー(333m)
②東京スカイツリー(634m)
東京二大タワーと、③東京ゲートブリッジが見えます。

23:45
お腹すきましたね。
では、船内「宴」を始めましょう。

牛丼(並)‥350円
サーモンづくし寿司‥430円
ごまだれ春雨サラダ‥322円
直搾りグレープフルーツ‥160円

0:26
竹芝から1時間56分。
三浦半島観音崎沖を航行中。
橘丸は浦賀水道を抜けると、航海速力を上げて外海に出ます。

0:40
そろそろ寝ましょう。
横になって移動できるのは、船ならですね。
おやすみなさい。

6:12
爆睡していたら‥
三宅島はとっくに過ぎており、御蔵島に接岸していました。
神聖なる接岸の儀(単に眺めるだけ)に参列しないでスイマセン。

では、改めて出航の儀(単に眺めるだけ)に参列しましょう。
ホーサーがビットから外されます。

6:14
ゴゴゴゴォー

グオン.グオン.グオン‥
巨大な船体が岸壁から離れていきます。

海の色がとても綺麗‥
でも、ここ東京都なんです。

御蔵島～八丈島は2時間45分です。

あっ！
あれは‥

ズームしてみましょう。

三宅島です。
朝5時に接岸したのですが、まったく気づきませんでした。

そして、その先には‥
神津島(右)・新島(左の二つの盛り上がり)が見えます。

大きく弧を描いて、御蔵島東岸に沿って航行します。

実は今回、御蔵島が候補に上がっていたのですが、宿が取れずに断念。
八丈島になりました。

御蔵島は周囲16kmの断崖絶壁の島です。

あっ！
あれは‥

ズームしてみましょう。

東岸にある、白滝です。
御蔵島は島全体が豊かな原生林で覆われおり、その恵みである水が山から直接海に落ちる風景が船から見えます。
なんだか、知床みたいですね。

御蔵島よ。
さらばじゃ。

あっ！
水平線の雲の上から、お日さまが出てきましたよ。

ありがたや～
ありがたや～
日の出を拝む筆者。

日があたって、御蔵島がよく見えます。
島と言うより、要塞みたいですね。

橘丸のファンネル。

6Fのフリースペースに、東海汽船歴代船舶が掲示されています。
これは興味深いですね。
見てみましょう。

先代の2代目【橘丸】1772t。
大正時代に建造された、初代.橘丸(392t)の後継船として昭和10年にデビューし、昭和48年まで活躍した貨客船です。

【ふりいじあ丸】2286t。
昭和46年、三八航路(東京-三宅島-八丈島)の旅客船としてデビュー。
後の昭和53年に、すとれちあ丸が三八航路に就航した事から、片航路(東京-伊豆大島-利島-新島-式根島-神津島)に転用され貨客船に改造。
昭和61年、加藤汽船(大阪～高松)に売却されました。

【すとれちあ丸】3700t。
ふりいじあ丸に変わり、昭和53年.三八航路に就航した貨客船です。
初代おがさわら丸と姉妹船で、おがさわら丸がドック期間中の代船として小笠原航路に就航した事もあります。
東海汽船では平成14年5月まで活躍。
引退後は船体ブロック運搬船となった後、解体されました。

【かめりあ丸】3751t。
老朽化した、ふりいじあ丸の代替船として、昭和61年に就航した貨客船です。
2代目さるびあ丸が登場するまで東海汽船のフラッグシップを務めました。
28年の間、東海汽船で活躍しましたが、平成16年7月、3代目橘丸の就航によって引退しました。
引退後はインドネシアで活躍しています。

2代目【さるびあ丸】4992t。
初代さるびあ丸の代替船として、平成4年12月に就航した貨客船です。
就航当時、初代さるびあ丸と重なったことから、さるびあ丸2として就航。
運航区域は沿海区域(日本の海岸から37.04km以内水域)で、片航路で運用されました。
平成14年.すとれちあ丸が引退した事から近海区域(東経175～94度・北緯63度・南緯11度に囲まれた水域)に変更され三八航路に就航。
平成26年.今の橘丸就航により片航路をメインとしながら三八航路にも就航し、夏期は東京湾納涼船にも就航します。

今も活躍している'さるびあ丸'ですが、新造船3代目さるびあ丸が2020年6月25日就航が決定！
よって、2代目さるびあ丸は、同6月25日22:00出航八丈島行及び翌6月26日八丈島9:40出航東京行の運航を持って引退が決まりました。

7:00
揺られていると、お腹がすきますね。
朝食にしましょう。

カレーヌードル‥86円
南高梅おにぎり‥120円
SG微糖コーヒー‥31円

船旅にはカップ麺。
おいしいよ。

八丈島が近づいてきましたよ。
橘丸は、航海速力19ノット(35km/h)で、黒潮が横切る海域を突き進んでいます。

この海域は、船が海流の影響を受けやすく動揺するのですが、今日は心地よい揺れを感じる程度で、快適な船旅です。

橘丸の最終寄港地。
八丈島.底土港に入港します。

底土港岸壁の対岸は、自然のままの海岸が残っています。

直立不動で、神聖なる接岸の儀(単に眺めるだけ)に参列する筆者。

狭い湾内で、巨大な船体を180度回頭させます。

ドーム型の山は、八丈富士(854m)です。

いつもなら、青ヶ島航路に就航する'あおがしま丸'(460t)が停泊しているのですが、今日は違う船が停泊していますね。

ズームしてみましょう。
東海汽船グループの貨物輸送専業.伊豆七島海運の貨物船「友正丸」460tです。
旅客扱いはしませんが、本土と伊豆諸島をつなぐ物資輸送にかかせない存在となっております。

回頭完了。
接岸体制に入りました。

あぁ～
楽しい船旅が終わっちゃうよ～

ホーサーがビットにつながれました。

9:03
接岸完了。
パチパチパチ‥

名残惜しいですが、下船しましょう。

東京港竹芝桟橋から10時間20分。
八丈島に着きました。

橘丸は、わずか45分の短い停泊時間で、船内清掃と荷役作業を行い、とんぼ返りで東京竹芝へ折り返します。

おじゃりやれ‥
八丈方言で「ようこそ」の意味で、八丈島から渡った移民が開拓した大東島でも同じ言葉が使われていますね。
八丈島と南大東島(沖縄県島尻郡南大東村)は昭和57年1月23日に姉妹島を提携しました。

さて、本編はここまでとなります。
続きは次回です。
拙い旅行記をご覧下さいまして、誠にありがとうございました。

つづく。