ザ 非鉄！バス&フェリー過酷旅・その5.【惜別】シルバーフェリー/べにりあ 乗船記

八戸-苫小牧航路を運航する川崎近海汽船(シルバーフェリー)に就航する「べにりあ」が、老朽化に伴い令和3年6月6日をもって引退することになりました。

「乗れる時に乗っておけ！」
～てな訳で、乗りにきました。

八戸-苫小牧航路に就航するシルバーフェリー/べにりあです。

平成11年4月、東日本フェリー/室蘭-八戸航路に就航。
平成18年3月、室蘭-八戸航路休止に伴い、東日本フェリー/苫小牧-八戸航路(川崎近海汽船と共同運航)に転属。

平成18年11月、東日本フェリーが苫小牧-八戸航路からも撤退したことに伴い、共同運航相手の川崎近海汽船が東日本フェリー(現.津軽海峡フェリー)からリースを受ける形で、引き続きシルバーフェリー/べにりあとして運航してきました。

今は亡き、東日本フェリーの船名を引き継ぐ最後の船です。
船名.べにりあ (VENILIA)はローマ神話に登場する、海の妖精の名から命名されています。

=べにりあ=
船種‥フェリー
総トン数‥6,558ｔ
全長‥134.6m
全幅‥21m
航海区域‥沿海
所有‥津軽海峡フェリー(株)
運用‥川崎近海汽船(株)
船籍‥日本.北海道室蘭
建造所‥三菱重工業下関造船所
就航‥平成11年4月4日

べにりあの後継となる新造船「シルバーブリーズ」が、令和3年6月16日に就航します。

べにりあが担当しているダイヤ、苫小牧.5:00→八戸.13:30・八戸.17:30→苫小牧.1:30をそのまま引き継ぐそうです。

行くぜ、八戸！

シルバーフェリー(苫小牧-八戸)には、べにりあ・シルバープリンセス・シルバーティアラ・シルバーエイトの4隻が就航しています。
苫小牧5:00出航便は、言うまでもなく「べにりあ」です。

4:18
では、乗りましょう。

私が利用するのは、2等船室です。
船旅の基本とも言える大部屋の和室で、先着順自由席となっています。

まずは、自分の寝床を確保しておきましょう。
マットが準備されています。
貸毛布は400円です。

この日、2等船室全体で利用客は私一人だけでした。

=救命胴衣着用法=
これは重要です。
よく理解しておきましよう。

それでは、恒例の船内視察を始めましょう。
べにりあの船客区画は、第5甲板(船橋甲板)の1層に集約されています。

※頂いたパンフレットの船内図です。

乗船すると、車両甲板です。
車両甲板の隅に客室入口があって‥

階段を上がると‥

エントランスホール入口となります。

=エントランスホール=
広いですね。
ソファが配置され、ゆったりとした空間となっています。

=案内所=
船内のご案内を承り、売店も兼ねております。
アルコール類は、案内所で6:30までの販売です。

=コインロッカー=
100円ですが、使用後返却されるので実質無料です。
相部屋の場合、重宝しますね。

=シルバーフェリー運航基準図=

苫小牧.5:00
↓
八戸.13:30

苫小牧→八戸‥航海距離.242kmを8時間30分で結びます。

=消火救命設備配置及び非常脱出経路図=
これも重要です。
船内視察を兼ねて、非常経路の確認も行っておきましょう。

=喫煙室=
船内は禁煙です。
喫煙はこちらでお願い申しあげます。

=レストコーナー=
こちらでも、ゆっくりとお寛ぎいただけます。

=エレベーター=
車輛甲板へ行けますが、航海中は使用中止です。

船内に飾られた絵画。
フェリーは、芸術にたしなむこともできるんですよ。

=船舶用衛星公衆電話=
航海中一部携帯圏外があるので、緊急時に連絡をとるのに役立ちます。
100円硬貨専用です。

=レインボーホール=
自販機コーナーに隣接して、食事や歓談ができるスペースとなっております。

=自販機コーナー①=
アイスクリームは、160～200円。
ジュース類は、130～160円
たばこは、540～560円と言ったところです。

アルコールの自販機はありません。

=自販機コーナー②=
こちらは、カップ麺・冷凍総菜などの自販機があります。
カップ麺は220円です。

かつては、多くのフェリーで一世を風靡したニチレイの自販機は壊滅状態！
この自販機、メンテナンスが終了しているので、順次姿を消しているんです。

シルバーフェリーに船内食堂はありません。
オートレストランと称し、冷凍食材の自販機が置かれています。

何があるのか見てみると‥
■生姜焼入りチャーハン‥650円
■ミートソースパスタ‥550円
■助六寿司‥550円
■カツサンド‥550円
■塩ホルモン230g‥550円
■熱田 塩ホルモン‥550円
■はまなす亭 うにめし‥600円
■長万部名物 かなやのかにめし‥900円
郷土料理・中華・洋食・和食などがあります。

自販機で購入した冷凍食材は、こちらの専用電子レンジで加熱調理します。

レインボーホールに隣接して、ちょっとした調理スペースがあります。
白い電子レンジは、持ち込んだ食材の加熱用です。

カップ麺調理に欠かせない給湯器。
右は冷水器です。

洗い物ができるシンクもあります。

船内ではWi-Fiが使えるみたい。

=洗面室=
アルボース液体石鹸と紙コップが配備されています。

=トイレ=
ひと昔前の学校のトイレみたいですね。
古いですが、綺麗に清掃されています。

洋式の個室。
ウォッシュレットはありません。

トイレにG〇RO処があります。
船酔いに苦しむ多くの方々に貢献したアイテムです。

=脱衣所=
ロッカーは100円玉が必要で、使用後返却されます。

=浴室=
景色を眺めることはできませんが、お風呂に入れるのはありがたいですね。

=2等船室=
通路を挟んで、両側に座敷席があります。

これぞ、船旅の基本‥
絨毯敷き大部屋雑魚寝の和室です。

べにりあの2等船室は8室あります。
以前はマットが隙間なく敷き詰められていたのですが、コロナ禍で間隔を開けてマットが置かれるようになりました。

船旅の救世主‥
G〇RO袋は船内各所に配備されております。

2等船室の隅にも冷水器がありますよ。

こちらは、富裕層向け上級船室のエリアです。
個室が並んでいます。

=1等船室=
べにりあ最上級船室。
4名様定員・2段ベッドの洋室です。

※シルバーフェリー公式サイトの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

=給湯室=
カップ麺調理に欠かせないアイテム。
船体前部にあります。

=ドライバー室=
我が国の物流を守るトラックドライバー様専用区画です。
一般船客は立入禁止なんですが‥

下船前、船員様から許可を頂いて覗かせてもらいました。
ドライバー様がゆっくりと休憩できるよう、ベッドになっています。

船内視察を終えて、外部甲板に出ました。

日が昇っています。
今日は天気が下り坂のようです。

神聖なる出航の儀(単に眺めるだけ)に参列する筆者。

4:56
ホーサーがビットから外されました。

ホーサー‥係留用ロープ。
ビット‥係留用鉄杭。

ゴゴゴゴォー

ファンネルから黙々とあがる黒煙。
昔の船はみんなこうでしたね。

重油臭が香ばしい←(変な奴)
近年の新造船は、重油の香りがしなくなってしまいました。

苫小牧→八戸 242km/8時間30分の船旅が始まりました。

苫小牧よ。
さらばじゃ、

お腹すきましたね。
京都で仕入れたので、関西風つゆのカップ麺です。

■ドカッ盛りわかめうどん‥108円

船旅にはカップ麺。
これが美味いんだな。

べにりあは、航海速力17.5ノット(約31.8km/h)ぐらいで航行しています。

今日の海況は、波高2.0m弱です。
ウネリがあるので動揺していますが、船酔いするほどの揺れではありません。

眠くなってきました。
ZZZ‥

目が覚め、外に出てみると‥
天気が崩れて、小雨がぱらついてきました。

8:50
苫小牧から3時間50分。
北海道/青森県の境界となる津軽海峡沖を航行中。

※GoogleMapの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

天気が良いと、本州下北半島と北海道が見えるのですが、今日は生憎霞んでしまって見えませんね。
残念！

揺られていると、お腹がすきます。
自販機で冷凍パスタを買いました。

この業務用電子レンジでチンします。

海を眺めながら優雅な食事‥
ミートソースが香ばしいです。
頂きまーす。

①ミートソースパスタ‥550円
②キンキパン元祖メロンパン‥108円
③UCC微糖コーヒー‥54円

船室でゴロゴロまったりする筆者。
体を伸ばして移動できるのは、船ならではの醍醐味です。

13:05
苫小牧から8時間5分。
八戸港が見えてきました。

神聖なる接岸の儀(単に眺めるだけ)に参列する筆者。

八戸港に入港します。

あっ！
あの船は‥

ズームしてみましょう。
八戸を13:00に出航した、シルバーフェリー/シルバーティアラ.苫小牧行です。

おぉー
キタ.キタ。

反航します。

シルバーフェリー/シルバーティアラ (8,543t)。
平成30年4月25日に就航した、シルバーフェリー新鋭船舶です。

▼シルバーティアラの乗船記。
https://4travel.jp/travelogue/11649571

シルバーティアラが苫小牧に着くのは、20:15です。
さようならぁ～。

接岸地点となる、八戸港フェリーターミナルが見えてきました。

港内で回頭中。

巧みな操船で回頭完了。

後進で‥

接岸体制に入りました。

あぁ～
楽しい船旅が終わっちゃうよ～。

ホーサーがビットにつながれました。

13:23
定刻より7分早く、接岸完了。
パチパチパチ‥

13:28
名残惜しいですが、下船しましょう。
徒歩船客は、私一人だけでした。

東日本フェリー時代の船名を保持する最後の船となったべりにあ。
引退まで、あとわずかです。
お疲れ様でした。

本編はここまでとなります。

=本編のまとめ=
5月16日(日) 第3日目-2　曇り
①シルバーフェリー:べにりあ.八戸行
苫小牧.5:00～八戸13:30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
川崎近海汽船‥5,590円

拙い旅行記をご覧下さいまして、誠にありがとうございました。
つづく。

※GoogleMapの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。