奄美沖縄惜別フェリー旅・その3.奄美海運/フェリーあまみ 乗船記(前編)

16:32
奄美海運(鹿児島-喜界島-名瀬-古仁屋-平土野)が発着する、鹿児島本港北埠頭に着きました。

乗船受付完了。

①鹿児島→平土野2等運賃 11,420円
②寝台料金B 1,500円
③燃料油価格変動調整金 840円
①+②+③=13,760円となるのですが‥
奄美群島振興交付金:奄美鹿児島交流割引-2,300円が適用されて、11,460円の支払いとなりました。

鹿児島本港では、クレジットカードが利用可能です。

16:40
乗船開始まで、まだ時間があるので‥

北埠頭の周辺をぶらぶらします。
桜島フェリーの第十八櫻島丸/プリンセスマリン(1,240t)をカシャ。

おぉ！
令和3年11月20日から鹿児島-奄美群島-那覇航路に就航する新造船‥
マリックスライン/クイーンコーラルクロス(7,914t)が係留されていますよ。

=マリックスライン/クイーンコーラルクロス=
22年2ヶ月活躍してきたクイーンコーラル8の後継船として建造。
クイーンコーラル8より大型化し、客室設備はプライベート空間が確保された個室や寝台を増設。
2等和室はプライバシーを重視したひとりひとりの仕切りを設置し、快適性が向上しているそうです。

8,000トン級の大型フェリー/クイーンコーラルクロスと比較すると、小さな貨客フェリーが奥に停泊しているのが見えますね。

ズームしてみましょう。
これから乗船する、奄美海運/フェリーあまみです。

▼A"LINE マルエーフェリー・奄美海運
https://www.aline-ferry.com/

=フェリーあまみ=
船種‥フェリー
総トン数‥2,942ｔ
全長‥112.0m
全幅‥17.8m
航海区域‥近海
所有‥鉄道建設 運輸施設整備支援機構・奄美海運(株)
運用‥奄美海運(株)
船籍‥日本.鹿児島
建造所‥三菱重工業下関工場
就航‥平成16年4月4日

これから向かうのは、奄美群島の徳之島です。
鹿児島→喜界島→奄美大島/名瀬・古仁屋経由で、徳之島/平土野へ18時間50分の航海に挑みます。

鹿児島から徳之島へは、大型フェリーで15時間と喜界航路より早く行くことができる鹿児島-奄美-那覇の主幹航路を使うのが一般的なのですが、私はわざわざ小さい船で遠回りをし、時間をかけて行くんです。

結果論を申しますと、鹿児島から平土野へ全区間通しで乗った珍客は私だけでした。

※奄美海運公式サイトの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

鹿児島本港北埠頭には、ウォーターフロント/しおかぜ公園があり、市民の憩いの場になっています。

日が短いこの季節。
この時間でもう日が暮れていきます。

乗船開始時刻となりました。

乗るぜ、フェリーあまみ！
徳之島へ18時間50分、よろしく頼みますよ。

17:12
では、乗船しましょう。

沖縄奄美群島に就航する船舶は、船本体に設けられたギャングウェイ(旅客乗降タラップ)から乗降するのが大きな特徴ですね。

えっと、今夜の城となる2等洋室E-3号室は‥
あっ、ここですね。

=2等洋室=
8名定員.2段ベッドの寝台で、相部屋となっております。

私の城はコチラ。
下段です。

寝台内には、寝台灯・コンセント・網小棚・洋服掛けが装備。
備品は、角枕・毛布・ハンガーが置かれています。

カーテンを閉めるとプライベートな空間となります。
このこじんまり感が引きこもるには最適ですね。

窓があるのはうれしいです。

=救命胴衣着用法・脱出経路図=
これは重要です。
よく見ておきましょう。

そろそろ出航の時間です。
遊歩甲板に出ました。

あちらにはフェリーあまみの姉妹船、奄美海運/フェリーきかい(2,552t)が停泊しています。
本日は休航日です。

毎度のことながら、神聖なる出航の儀(単に眺めるだけ)に起立して参列する筆者。(笑)

あっ！
鹿児島-種子島航路に就航する、コスモライン/プリンセスわかさ(1,864t)が、種子島から戻って来ましたよ。

17:30
ピィー
船長総指揮のもと、甲板部員が笛で出航の合図を出すと‥
ホーサーがビットから外されました。

・ホーサー‥係留用ロープ
・ビット‥係留用鉄杭

ゴゴゴゴォー

鹿児島→徳之島/平土野 589km/18時間50分の船旅が始まりました。

エンジン出力全開！
アイアイサー

機関室では機関長総指揮の元、機関部員のキビキビとした働きをしているのが黒煙を見てわかりますね。

ファンネルから放される重油臭がいい香りに感じるようになったら、貴方も船ヲタの仲間入りだ。

コスモライン/プリンセスわかさは接岸が完了したようです。
我々フェリーあまみは、ゆっくりと離岸していきます。

船体を180度回頭する態勢に入りました。

おぉ！
新造船.クイーンコーラルクロスの全貌が見えてきましたよ。

マリックスラインの新造船、クイーンコーラルクロス。
カシャカシャと撮影しまくる筆者。

あぁ、忙し.忙し‥

回頭完了。

あっ！
入港して来た白い船は‥

ズームしてみましょう。

鹿児島-屋久島航路に就航する、折田汽船/フェリー屋久島2(3,392t)が、屋久島から戻って来ました。

フェリーあまみ・航海スケジュールです。
鹿児島.17:30
▼
喜界島/湾.4:30-5:00
▼
奄美大島/名瀬.7:00-7:30
▼
奄美大島/古仁屋.9:40-10:00
▼
徳之島/平土野.12:20

今回の旅の主役となるマリックスライン/クイーンコーラル8 (4,945t)が鹿児島新港に停泊しているのが見えます。
鹿児島-奄美群島-那覇の主幹航路で22年2ヶ月活躍してきた英雄ですが、新造船クイーンコーラルクロスが就航するのに伴い、明日鹿児島を出航する那覇往復が最終航海となります。

筆者は明後日、徳之島から那覇行最終航海便に乗船する予定です。

鹿児島よ。
今回は戻って来ないよ。
さらばじゃ。

赤く染まった夕暮れの風景。
美しい。

お月様と桜島。
すばらしい景観だ。

=フェリーあまみ船内図=
それでは、恒例の船内視察を始めます。
フェリーあまみの船客区画は3～5Fとなっております。

=3Fエントランス=
ギャングウェイから乗船すると、3Fのエントランスです。

3Fには、車両甲板・2等室・洗面室・トイレがあります。

=2等和室=
これぞ船旅の基本‥
大部屋の和室となっております。

ひとりひとりの区画には、マット/毛布/角枕が備えられております。

=洗面室=
上下共夜行便なので、重要な設備ですね。
手をよく洗っておきましょう。

=トイレ=
以前と変わらず、ウォッシュレットはありませんね。

船旅の救世主‥
G〇RO袋は、船内各所に配備されております。

=非常時の心得=
これは重要ですね。
ちゃんと読んでおきましょう。

=エレベーター=
車椅子にも対応しており、足の悪いお客様でも安心して船内の上下移動ができます。

大きい手荷物は階段下のスペースで保管できます。
次は、4Fにあがってみましょう。

=4Fエントランスホール=
船客区画のメインフロアは4Fとなります。

4Fは、案内所・レストラン・レストコーナー等のパブリックスペースと、2等室があります。

=案内所=
船内のご案内と売店も兼ねています。

売店で販売しているものは‥
・船ストラップ‥310円
・酔い止めセンパア子供用‥670円
・酔い止めセンパア大人用‥770～1,230円
・サキイカ‥120円
・チョコポッキー‥170円
・チップスター‥130円
・皮付きちぎりイカ‥
・A"フェリーオリジナル帽子‥3,200円
・缶ドロップ‥220円
・焼酎 浜千鳥の詩/白波‥各460円
・清酒ワンカップ‥260円
・西郷せんべい‥550円
～と、言ったところですね。

=運航改正のご案内=
昔は、運航曜日によって運航船舶・航路が異なり、同じ船舶でも曜日によって運航時間に変則が生じていましたが、3代目フェリーきかい就航の平成27年3月以降、運航船舶効率化と運航曜日が平準化されました。

▼フェリーあまみ
■下り便 鹿児島→喜界→名瀬→古仁屋→平土野 (鹿児島.月・水・金曜日出航)
■上り便 平土野→古仁屋→名瀬→喜界→鹿児島 (奄美/喜界.火・木・土曜日出航)

▼フェリーきかい
■下り便 鹿児島→喜界→名瀬→古仁屋→平土野→知名 (鹿児島.火・木曜日出航)
■上り便 知名→名瀬→喜界→鹿児島 (奄美/喜界.水・金曜日出航)

鹿児島発.土・日曜日は休航。
奄美/喜界発.日・月曜日は休航となりました。
なお、繁忙期・地区体育大会・船舶定期点検(ドック)や台風などの休欠航により、運航航路・船舶が変更になったり、臨時便が運航されることがあるそうです。

=奄美海運Wi-Fi=
Google・Facebook・LINE・Twitterなどのアカウントを選択して、1日60分×2回利用できます。
海域によっては、つなからない場合もあります。

※奄美海運Wi-Fiの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

=4Fパブリックスペース=
4Fエントランスにあり、海を眺めながらお寛ぎ頂けます。

=多機能トイレ=
フェリーあまみは、交通バリアフリー法に基づいたバリアフリー高度化船です。

=喫煙室=
船内は個室を含めて禁煙となりますので、喫煙室でお願いします。
また、船内でタバコの販売はありません。
愛煙家の方はご注意を‥

=レストコーナー=
談話するのに良いスペースですね。

=ゲームコーナー=
フェリーの定番、スロットがアリマス。

=自販機コーナー=
かつてあったニチレイの自販機が消滅して、販売機の数が減少していました。

アルコール類の自販機。
・缶ビール 280円
・缶チューハイ 220円
・発泡酒 220円
・ノンアルビール 160円
焼酎と清酒は、案内所で販売しております。

ジュース・コーヒー・お茶・エナジーなどのノンアルコールドリンクは、130～210円。

森永のアイスクリーム自販機。
ICEBOX130円以外は、みんな160円です。

お菓子・パン・カップ麺の自販機。
・キットカット 130円
・アルフォート 150円
・燻製チーズ 200円
・チェダーPRETZEL 130円
・プリッツ旨サラダ 130円
・ふんわり焼きイカ 200円
・不二家カントリーマアム 150円
・ノアール 150円
・チョコあんぱん 130円
・クリームパン 130円
・デニッシュショコラ 130円
・カップヌードル 250円
・カレーヌードル 250円
・シーフードヌードル 250円
～と、言ったところですね。

=レストラン=
営業時間外はフリースペースとなります。

コロナ禍でレストラン営業は休止中。
令和3年11月22日から再開されるそうです。

ちなみにレストランメニューはご覧の通り。
鹿児島→下り便は夕方のみの営業で、牛丼・中華丼・麻婆ナス丼・カレーライス。
奄美/喜界→上り便は朝のみの営業で、朝和定食の提供となります。

レストラン休業中、下り便ではメニュー商品を弁当として販売。
案内所で注文を受け付けていました。

電子レンジ。
持ちこんだ弁当や総菜を温められるのは助かりますね。

=給湯コーナー=
カップ麺調理に必需なアイテムです。
お茶と冷水もあります。

コップはないので、各自で用意しましょう。

コインを入れ、右下のツマミをガチャガチャと回して、商品を出す懐かしい自販機。
シャワー室前にあり‥
・ライオン歯磨きセット 200円
・タオルセット(160匁タオル/ミニ石鹸/アカスリ) 200円
・髭剃りセット 200円
・花王お風呂セット(シャンプー/リンス/ボディソープ) 200円
・生理用品&資生堂化粧品(スキンローション)セット 200円
・電子ライター&ティシュ2コ 200円
・ミックスナッツ/サキイカ 各200円のおつまみも売っています。

=シャワールーム=
無料で航海中いつでも利用できます。

アメニティはないので各自で用意願います。

=フリージアルーム=
4F.2等和室C-1号室は、女性専用船室です。
隣りに女性用化粧室があります。

次は、5Fを見てみましょう。

=5Fホール=
最上階の5Fです。
両舷突き抜けのホールがあります。

フェリーあまみを建造した三菱重工業下関造船所から寄贈された絵画。
関門海峡と関門橋が描かれています。

船内では美術鑑賞ができるんです。

ホールの両舷隅にはちょっとした寛ぎのスペースがあります。

5Fは、2等洋室・2等寝台・1等室と中級及び上級船室のフロアとなります。

=2等洋室=
2段ベッド×4、定員8名の相部屋となります。
筆者が利用している等級です。

=2等寝台=
2段ベッド×2・ソファーベッド2台が備えられた6名定員の客室です。
予約人数によっては相部屋となります。

船首部操舵室下にあるので、昼行時は窓から前方を眺めることができます。
※コンテナの搭載数によっては景色が見えにくい場合があります。

※奄美海運公式サイトの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

=1等室=
フェリーあまみの最上級船室です。
船首部操舵室下角両舷に1室ずつあり、前方・側面両方の眺望をご覧頂けます。
※コンテナの搭載数によっては、前方の景色が見えにくい場合があります。

ツインベッド・シャワー・トイレを備えたシティホテル並みの個室となります。

1等は相部屋の設定はありません。
1名利用の場合、船室非利用客数×１旅客当たりの運賃及び
料金の合算額×0.5の船室貸切料金が加算されます。

〈例〉鹿児島→平土野を1等1名利用する場合‥
1等運賃25,140円+貸切料金(非利用/1×運賃/25,140×0.5=12,570円)=37,710円となります。

※奄美海運公式サイトの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

=遊歩甲板=
開放的なデッキで潮風にあたりながら船旅を満喫できます。
以上で、船内視察を終了します。

すっかり闇に包まれ、夜の航海が始まりました。

フェリーあまみのもうひとつの名称‥

奄美海運株式会社
産業廃棄物収集運搬業者.第068996号です。

島の為なら何でも運ぶ‥
離島航路就航船の使命です。

月夜に照らされる錦江湾が美しい。
静かな夜です。

鹿児島のニシムタで仕入れた食材で、夕食にしましょう。

カツオに鶏のタタキ。
〆いわしのにぎり寿司。
阿蘇名水で作った豆腐。
鹿児島県伊佐市の大口酒造醸造の芋焼酎/伊佐錦など、南九州にちなんだ食材を揃えました。
では、頂きまーす。

■阿蘇名水絹とうふ‥131円
■ほたてクリームコロッケ‥107円
■かつおたたき刺身‥270円
■〆いわしにぎり寿司‥360円
■鶏のタタキ‥106円
■菜の花サラダ‥108円
■伊佐錦‥192円
■キリン一番搾り‥280円
■純水氷‥150円

19:30
鹿児島出航から2時間。
佐田岬沖を航行中。
フェリーあまみは錦江湾(鹿児島湾)を出ます。

※GoogleMapの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

左舷には、本土最南端/佐多岬灯台の灯りが小さく見えました。
これから外洋に出ますよ。

21:19
鹿児島出航から3時間49分。
フェリーあまみは、屋久島と口永良部島沖を航行中。

※GoogleMapの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

甲板に出てみると‥
左舷に屋久島が見えましたよ。

今日は波1mと穏やかな海況にプラスして、フィンスタビライザー(横揺防止装置)装着船なので、動揺はほとんど感じられません。

21:30
やることもないし、寝ますか‥
就寝。

鹿児島→喜界は、377km/11時間。
第一寄港地の喜界島港外には、早朝4時20分と定刻より10分早い到着予定です。
次回は、航海後半をご案内します。

拙い旅行記をご覧下さいまして、誠にありがとうございました。

-つづく-