下田航路の事務長引退〈惜別〉伊豆旅・その1.神新汽船/フェリーあぜりあワンデークルージング(前編)

おはようございます。
これから、静岡県.伊豆急下田に向かいます。

4:51
では、横浜駅からスタートしましょう。

東海道線下り始発列車に乗車します。

①普通721M.熱海行
横浜.4:54→熱海.6:16
[乗]JR東日本:モハE231-1118

下級平民の筆者‥
2時間以内の乗車は、個人的な規程でグリーン車に乗ることが許されません。
てな訳で、ロングシートの普通車へ‥

6:15
横浜から1時間22分。
熱海に到着。

熱海で伊東線に乗り換えます。
乗るのは、東急から移籍した伊豆急行8000系。
伊東線には伊豆急行の電車が乗り入れているのです。

②普通5625M.伊豆急下田行
熱海.6:29→伊豆急下田.7:58
[乗]伊豆急:8004

6:39
伊東線/伊豆多賀→網代。
夜が明けてきて‥

日の出です。

ありがたや～
ありがたや～

7:16
間もなく伊豆高原。

あっ！
房総地区で活躍したJR東日本/209系が伊豆急行に移籍し、車両基地に留置されていますよ。

伊豆急行プレス記事によると‥
この電車は伊豆急行3000系として、2022年春から営業運転を開始するそうです。

7:29
伊豆北川に停車。
この駅からの眺めは絶景です。

7:36
伊豆急線/片瀬白田→伊豆稲取は、海岸線ギリギリに沿って走ります。

沖に見えるのは伊豆大島と‥

左から、利島・三宅島・新島・神津島と伊豆諸島の島々が一望です。
今日は、これらの島々を巡るクルーズを楽しみますよ。

8:00
熱海から1時間29分。
伊豆急下田に着きました。

伊豆急下田駅から船乗り場へは、徒歩20分ほど。
下田の街をテクテク‥

8:16
これから乗るクルーズ船には、レストランがありません。
イオンマックスバリュ エクスプレス下田銀座店で、食材を仕入れていきましょう。

紅葉が綺麗だ。

=ペリー通り=
黒船でやってきたペリー艦隊が、日米下田条約締結の為に、300人の部下を引き連れ了仙寺まで行進した約400mの道のりです。

異国情緒あふれるレトロな雰囲気を醸し出す川沿い石畳の小道を歩きましょう。

下田ネコ。
ちょっと、セレブっぽいネコちゃんですな。

=昭和湯=
下田に一軒だけ残った銭湯です。
天然温泉を引湯しているんですよ。

そろそろ港へ‥
稲生沢川河口部に沿ってテクテク。

=あぜりあ丸のプロペラスクリュー=
昭和63年から平成26年までの26年間、下田-伊豆諸島航路で活躍した神新汽船/あぜりあ丸(480t)のプロペラスクリューです。

フェリーあぜりあの就航により、あぜりあ丸は引退となったので、予備のプロペラスクリューがモニュメントとして下田市に寄贈されました。

=神新汽船のりば=
下田-伊豆諸島航路を運航する、神新汽船.下田営業所です。

下田～伊豆諸島を結ぶ航路が開設されたのは明治31年3月。
神新汽船は、東海汽船下田航路を引き継ぐ形で、昭和53年に第三セクターの形で設立された海運会社です。

さてこの航路‥
本来は下田から伊豆諸島へ人と物資を運ぶ貨客フェリーなんですが、伊豆諸島の島巡りができる、ワンデークルージングの設定があります。

￥ワンデークルージング運賃(令和3年11月)
・2等‥大人5,840円・小人2,930円
・特2等‥2等運賃の約1.5倍額
・1等‥2等運賃の約2倍額
※運賃は、燃油代によって変動があります。
・神新汽船公式サイト→http://shinshin-kisen.jp/

乗船名簿を記入して乗船手続きをしましょう。
今回は大奮発して、ワンデークルージング1等運賃11,720円を払いました。

￥神新汽船ワンデークルージング1等‥11,720円

乗船記念として‥
神新汽船/フェリーあぜりあ(下)と、伊豆諸島開発/ゆり丸(上)のカードを頂きました。
ありがとうございます。

通常この航路は、フェリーあぜりあが就航するのですが、年1回のドッグ入りの時は伊豆諸島開発所属の"ゆり丸"が代船として就航します。

このゆり丸‥
予備船として建造され、その運用が神出鬼没な事から'幻の貨客船'と言われ、伊豆諸島・小笠原諸島の生活を支えてきましたが、新造船/くろしお丸就航により引退し、南太平洋のトンガ王国へ売船されました。

ゆり丸よ、お疲れ様でした。

※2022年から代船は、伊豆諸島開発/あおがしま丸になるそうです。

さて、今回のクルーズ船は‥
下田-利島-新島-式根島-神津島航路に就航する、神新汽船/フェリーあぜりあ。
通常は、伊豆諸島への人と物資を運ぶ貨客フェリーなのです。

③神新汽船:フェリーあぜりあワンデークルージング
下田.9:30～伊豆諸島～下田.16:30

前からカシャ。
下田港って、前から船の全容が撮影できないのです。

てな訳で、以前に撮影した画像でお許し願います。

= フェリーあぜりあ =
船種‥フェリー
船籍‥日本/東京
航海区域‥限定沿海
所有/運用‥神新汽船・鉄道建設 運輸施設設備支援機構
総トン数‥495t
全長‥63.0m
全幅‥12.6m
建造所‥内海造船瀬戸田工場 (第769番船)
就航‥平成26年12月19日

8:56
では、乗船しましょう。

恒例の船内視察を始めます。

フェリーあぜりあの船客区画は、2F/上甲板と3F/航海船橋甲板の2層です。
乗船するとオープンなベンチ席があります。

この看板は、先代のあぜりあ丸で使われていた物だそうで、所々ですが、先代の船の面影が受け継がれています。

3F/航海船橋甲板に上がってみましょう。

3F/航海船橋甲板のオープンデッキです。

オープンデッキ.右舷側。
開放的な空間から、伊豆諸島の景観を眺めることができます。

こちらは左舷。
柵の奥は、1等船客専用のプライベートデッキです。

=ファンネル=
グリーンとホワイトのツートンカラーは神新汽船の社旗デザインです。

2F/上部甲板に戻りました。
では、船内を見てみましょう。

船内に入ると、明るい雰囲気のエントランス空間が一直線に伸びています。。

=救命 消防設備配置および非常脱出経路図 =
これは重要です。
船内視察を兼ねて、避難経路も確認しておきましょう。

=救命胴衣着用方法=
これも重要です。
よく見ておきましょう。

=洗面所=
泡石鹸を配備。
コロナ感染対策として、手をよく洗いましょう。

=トイレ=
個室はウォッシュレット完備。
清潔で綺麗です。

船旅の重要アイテム.G〇RO処も完備。

=バリアフリートイレ=
フェリーあぜりあは、バリアフリー新法に基づいて作成された鉄道・運輸機構の旅客船バリアフリーガイドラインに準拠したバリアフリー高度化船なのです。

=バリアフリー席(多目的室)=
体の不自由なお客様優先のスペースですが、該当するお客様がいない時はフリースペースとなります。

過去になかった、記念撮影用制服がありました。
これで、コスプレが楽しめますぞ。

=船舶位置表示モニター=
フェリーあぜりあの現在地を知ることができます。

=案内所=
伊豆諸島ファンや船好きの間で、有名な事務長様が船旅のお世話をして下さいます。

今日は、名物事務長様が引退するという情報を聞きつけ、乗りに来ました。

=自販機コーナー=
カップ麺･ビール･ジュースなどがあります。
フェリーあぜりあには売店や食堂はなく、食料はカップ麺だけなので、食料は買ってから乗船しましょう。

=エレベーター=
車両甲板に行けます。
航海中は利用できません。

ブァッシャーン！
ドドド.ドーン！

時化の中を奮闘するフェリーあぜりあの写真が掲示されていました。

=冷水器=
冷たい水がタダで飲めるのは、うれしいですね。
熱湯はカップ麺自販機から頂けます。

=喫煙スペース=
船室内は禁煙です。
タバコはこちら、右舷デッキでお願いします。

=2等船室=
絨毯敷きのスペースが4区画あります。

これぞ、船旅の基本。
大部屋雑魚寝の船室です。

自由席ですがコロナ感染対策として、枕の位置は変えないように案内がありました。

船旅の救世主‥
アルミの洗面器が、緊急時に備えて配備されています。
今日は海況が良いので、G〇RO袋は配備されていませんでした。

この上(船橋甲板)は、特2等と1等の上級船室の区画です。
では、上がってみましょう。

特2等室です。
上の銀色のプレートは、先代のあぜりあ丸に掲げられていた物をフェリーあぜりあで再利用しました。

中に入ってみましょう。
木柱を仕切りとしたモダンな内装です。

=特2等室=
相部屋ですが、マットレス.毛布.枕が備えられており、2等より快適な船旅ができます。

特2等船室は大きい区画と小さな区画の2区画あります。

=1等室=
フェリーあぜりあに1室しかない最上級船室です。

ジャ.ジャーン！
今日はこちらが我が城なんです。
家中のお金をかき集めて、大奮発したのだ。

中に入りましょう。

おっ！
いきなり船室でなく、木柱が並ぶアプローチを進むと‥

リビングセットを備えたツインルームです。
1等ながら個室で、グループ会社となる東海汽船の特等並みの設備を備えています。
神新汽船、太っ腹ですな。

おしゃれな内装のツインベッド。
昼行便ながらも、厚手の寝具が用意されています。

さて、神新汽船1等名物と言ったらコレ‥
'花毛布'です。

花毛布とは、100年以上前に海外航路の日本船で始まったもので、毛布を折り紙のように折ったものです。

これは、カメさんですね。
1等船室の毛布は、事務長様がおもてなしの意味も込めて折っています。

こちらは、カエルさんかな？
今ではほとんど見られなくなった花毛布は貴重な存在。

花毛布を織れる方は全国的に数が少ないです。
事務長様が引退したら、もう見られなくなってしまうんだろうな。

ベッドの脇には冷蔵庫が置かれています。

液晶テレビも配備。
Wi-Fiはありません。

ゆったり寛げるリビングスペース
東海汽船/橘丸・さるびあ丸特等船室の同じタイプの椅子が置かれています。

エアコンは、個別タイプです。

窓の外には‥

1等船客専用のプライベートデッキがあります。
これは、大型クルーズ線に引けをとらないですね。

1等船室には、ウォッシュレットトイレ・洗面台・シャワーブースもあり、500tクラスの小さな貨客フェリーながらも、ホテル並みの設備を誇っており、ワンランク上の船旅が楽しめます。

1等室は基本的に個室で、ルームキーもあります。

他社船だと個室は定員に満たない場合、運賃+個室料金となることが多いのですが、今回は1等運賃だけでした。

ちなみに、1等運賃は2等の倍額です。

フェリーあぜりあ最上級船客に就任した筆者。
これで、私は富裕層。←(7時間限定)

次回は、フェリーあぜりあ1等室利用の伊豆諸島クルージング/航海編です。
拙い旅行記をご覧下さいまして、誠にありがとうございました。

-つづく-