SHKフェリー日本縦断旅・その7.新日本海フェリー/らいらっく 乗船記(航海編)

ここに一冊の本があります。

『長距離フェリー50年の航跡 -SHKライングループの挑戦』

冒頭に‥

私たち、SHKライングループは、中核となる「関光汽船」をはじめとして、関西と北九州を結ぶ「阪九フェリー」、下関と韓国釜山を結ぶ「関釜フェリー」、北海道と秋田・新潟・敦賀・舞鶴を結ぶ「新日本海フェリー」など、長距離フェリーで国内外の主要航路を結んでいる企業グループだ。
"日本長距離フェリーの父"ともいえる創業者の入谷豊洲が、大胆な英断と手腕で切り開いた航路である‥

～と、あります。

初の国内長距離フェリーとなった「阪九フェリー」。

冬期、海が大荒れする日本海で定期運航することは無謀だと言われた中で開業した「新日本海フェリー」。

1905年に開設された関釜連絡船を起源とし、第二次世界大戦以降、20年以上に渡って途絶えた日韓航路を復活させた「関釜フェリー」。

今でこそ当たり前のように運航している各航路ですが、この本を読むと開設・運航に至って多くの苦労があり、今につながっていることがわかります。

今回の旅はタイトルにある通り、SHKグループのフェリーを乗り継ぐ旅です。
コロナ禍で関釜フェリーには乗船できませんが、「阪九フェリー」「新日本海フェリー」そして、令和3年7月1日、新たにSHKグループに仲間入りした「東京九州フェリー」に乗船します。

苫小牧東港周文フェリーターミナル。

SHKフェリー旅‥
最初は、Sの新日本海フェリーです。

冬は大荒れする日本海に定期航路を開設するのは無謀だと言われた中、昭和44年に設立された新日本海フェリー。
設立から半世紀がたった今、冬期も高い就航率を誇っております。

北海道から日本海を経由して、新潟へ向かいましょう。

新日本海フェリー苫小牧-新潟航路は、らいらっく・ゆうかりの2隻が就航しております。
通常は秋田寄港便となるのですが、本日は変則ダイヤで、苫小牧→新潟直行便となります。
就航船は「らいらっく」です。

①新日本海フェリー:らいらっく.新潟行
苫小牧.17:00→(船中泊)→新潟.9:15

= らいらっく =
船種‥フェリー
船籍‥日本小樽
所有/運用者‥新日本海フェリー(株)
航海区域‥近海
総トン数‥18,229t
全長‥199.90m
全幅‥26.50m
建造所‥石川島播磨重工業横浜第3工場
就航‥平成14年4月5日

新日本海フェリーはネット予約で徒歩乗船の場合、e乗船券を自宅でプリントすれば検温のみで乗船手続きは不要ですが、窓口で乗船券を発券して頂きました。

☆ツーリストB(苫小牧-新潟)‥大人8,600円
▼新日本海フェリー公式ホームページから予約。
https://www.snf.jp/

厚真町公式キャラクターの、あつまる君です。
みなさん、よろしくね。

=待合室=
まだ早いので、人がいません。
Wi-Fiがつながりました。

苫小牧-敦賀航路(直行便)に就航する、新日本海フェリー/すずらん(17,382t)の模型が展示されていました。
これ、精巧な造りなんですよ。

ターミナルの食堂で、花畑牧場ホエー豚丼が食べたかったのですが‥
今日は、やっていませんでした。

残念！

フェリーターミナルには、授乳室があります。
赤ちゃん連れのお客様も安心して、ご利用頂けます。

トイレはウォッシュレット付き。
清潔で綺麗です。

遅くなりましたが、備蓄食料で昼食。

■焼きそばロール‥69円、
■シュガーマーガリン‥78円、
■マーガリン入りバターロール‥88円、

16:37
乗船開始の案内がありました。
では、乗りましょう。

いつものパターンで、ルームキーを受け取る上級船室利用の富裕層の方々を横目に今夜の城へ向かいます。

ツーリストB3の171番は‥
あっ、ここですね。

=ツーリストB=
以前は大部屋和室のツーリストJが最安船室でしたが、今はこちらのツーリストBが最安船室となりました。

通路をはさんで両側に、2段ベッドが並んでいます。

2等寝台に値する、梯子式2段ベッドの船室です。
階段式2段ベッドが登場するまで、2等寝台と言ったらこのタイプが主流でした。

★ツーリストB(苫小牧ｰ新潟)‥大人8,600円～
梯子式2段ベッド (1室24名相部屋)×10室

私の城はコチラ。
下段です。

左の棚に荷物が置けるようになっています。

寝台には、毛布・枕・シーツを配備。
シーツは自分で敷きます。

蛍光灯の寝台灯。
コンセントもありますよ。

カーテンを閉めれば、プライベートな空間となります。

恒例の船内視察は、別記事で同時配信します。
ご覧頂けたら幸いです。

▼SHKフェリー日本縦断旅・その8.新日本海フェリー/らいらっく 乗船記(船内編)
https://4travel.jp/travelogue/11751706

そろそろ、出航のお時間です。
恒例儀式に参列する為、甲板に出ました。

神聖なる出航の儀(単に眺めるだけ)に起立して参列する筆者。(笑)

17:02
ホーサーがビットから外されました。

・ホーサー‥係留用ロープ
・ビット‥係留用鉄杭

ゴゴゴゴォー

おっ！
夕日が綺麗ですぞ。

回頭をアシストするタグボート。
苫港サービス/勇払丸(198t)が、巨大な船体をグイグイ引っ張っております。

小さい船ですが、力持ちですね。

タグボートのアシストと巧みな操船で、全長199.9mの巨大な船体が狭い湾内で回頭し‥

船尾が湾の奥に向きました、
回頭完了です。

らいらっくは、ゆっくりと前進を始めました。

任務を終えた勇払丸。
しばらく並走し‥

基地へ戻っていきました。

勇払丸よ。
お疲れ様でした。

苫小牧東港を出港。

苫小牧→新潟・約637km/16時間15分の船旅が始まりました。

北海道よ。
さらばじゃ。

あっという間に暗くなり、夜の航海が始まりました。

お腹すきましたね。
夕食は、船内レストラン「Tahiti」でとりましょう。

近年、フェリーのレストランはバイキングスタイルが増える中、新日本海フェリーはカフェテリアスタイルとなっています。

ディナーメニューはコチラ。
色々な料理があって、迷っちゃいますね。

特製ビーフシチューとアジフライにしたよ。
アジフライは大きくてサクサクです。

備蓄食料、札幌市豊平区日糧製パンの多加水食パンも食べちゃいましょう。。

■新日本海フェリー特製ビーフシチュー‥720円
■アジフライ‥410円
■北海道多加水パン‥98円※
■缶チューハイ‥95円※

新日本海フェリー夕食人気ランキング1位の特製ビーフシチュー。
デミグラスソースは自家製ブレンド、自慢の一品なんですよ。

北海道限定ビール、サッポロCLASSIC。
フェリーに乗ると、なぜか森永チョコモナカが食べたくなる。

■サッポロCLASSIC‥270円
■森永チョコモナカ‥150円

19:58
苫小牧から2時間58分。
らいらっくは、北海道.恵山岬沖を航行中。

北海道.恵山岬沖で、進路を変えていきます。
これから太平洋を離れ、津軽海峡に入りますよ。

右舷からは、北海道の街灯りを眺められます。

こちらは本州側。
左舷からは、青森県/尻屋崎灯台の灯りが小さく見えました。

20:49
空を白く染めている函館の街灯りをご覧頂けます。

21:36
津軽海峡のど真ん中を航行中。
南下すると平館海峡を経て青森です。

22:05
津軽海峡を航行し、日本海へ抜けます。

そろそろ寝ますか。
就寝。

5:55
おはようございます。
朝ですよ。

5:55
苫小牧から12時間55分。
今、どこかな。

山形県鶴岡市の沖合を航行中のようです。

本日の日の出は6:06です。

6:09
アウトデッキに出ました。
北海道にいた時より暖かいです。

うっすらと、本州が見えますね。
東の空が朝日の光で赤く染まってきました。

あちゃー
ちょうど良い位置に、厚い雲がはりついちゃいました。

おぉ！
雲の上から光が‥

雲の切れ目から、お日さまがあがってきましたよ。
バンザーイ！

ありがたや～
ありがたや～

日の出を拝む筆者。

6:45
新潟県粟島沖を通過します。

今日は海況が良く、快適なクルーズです。

雄大な日本海。
らいらっくは、航海速力22.7ノット(42km/h)で航行しております。

風呂に入ってから‥
日本海に向かって、カンパーイ！

朝食にしましょう。。
左のロング缶は、FIRE北海道限定ミルクテイストコーヒー。
北海道産素材を使用し、北海道で製造した、北海道民のためのコーヒーと宣伝されています。
北海道産牛乳・北海道産生クリーム・北海道産てんさい糖を使用した、北海道でしか味わえない贅沢なミルク感が溢れるキリンの缶コーヒーです。

■テリヤキチキン&マヨネーズサンド‥98円
■タマゴサンド‥98円
■FIRE北海道限定ミルクテイスト‥76円

8:08
目的地となる新潟が近づいております。
到着まで、あと1時間ほどです。

船室でぼんやりする筆者。
こうしてゴロゴロしながら、ぼんやりできるのも船旅の醍醐味。

8:46
苫小牧から15時間46分。
新潟港に入港します。

神聖な接岸の儀(単に眺めるだけ)に参列する筆者。(笑)

着岸地点となる、新潟港.山の下埠頭(右の岸壁)が至近距離に入りました。

狭い湾内で90度回頭し‥

後進で着岸態勢に入りました。

全長367kmを誇る、日本一長い河川/信濃川(長野県内は千曲川)の河口です。
左に佐渡汽船のフェリーターミナルがあります。

巨大な船体が岸壁に寄っていきます。
巧みな操船ですね。

あぁ～
楽しい船旅が終わっちゃうよ～。

ホーサーがビットににつながれたようです。

9:11
着岸したのかな？
ここからでは見えません。

あっ！
定刻に着岸完了です。

パチパチパチ‥

名残惜しいですが、下船しましょう。

新潟港山の下埠頭にある、新潟フェリーターミナルに着きました。

苫小牧→新潟・約560km/15時間20分の船旅は、あっという間に終わってしまいましたね。

▼今回は、新日本海フェリー/らいらっくの船内視察と同時配信です。
https://4travel.jp/travelogue/11751706

あわせてご覧頂けたら、幸いです。
ありがとうございました。

-つづく-