新造船伊豆諸島ワンデークルージング・その1.新造船[祝]就航 伊豆諸島開発/くろしお丸 乗船記

伊豆諸島/青ヶ島や小笠原諸島/母島の定期航路や貨物輸送を担う伊豆諸島開発。
就航船のドック入渠時に代船運航する予備船/ゆり丸が引退し、新造船/くろしお丸が就航。

普段、くろしお丸は、ザ.秘島と言われる青ヶ島航路に就航しており、なかなか乗ることができないのですが、年に一回、下田-伊豆諸島航路を運航する神新汽船/フェリーあぜりあがドック入渠時にくろしお丸が代船として運航される情報を入手した筆者。
この期間を逃すと、そう簡単には乗れなくなってしまう‥

てな訳で、くろしお丸の取材決行です。

4:51
おはようございます。
神奈川県横浜駅から旅が始まります。

横浜(鶴見)→伊豆急下田の乗車券を正規運賃/3,340円で購入。

￥JR東日本(鶴見→伊東) 1690円
￥伊豆急行(伊東→伊豆急下田) 1,650円

東海道線下り始発普通列車。
お馴染みのE231系。

①普通721M.熱海行
横浜.4:55→熱海.6:15
乗]JR東日本:サハE231-3025

筆者の今の財政状況では、グリーン車に乗ることは許されません、
普通車を利用しましょう。

夜明けの相模灘。
幻想的で美しい。

東海道線/湯河原→熱海。
神奈川/静岡県境である、千歳川を渡ります。

6:15
横浜から1時間20分。
熱海に到着。

伊東線に乗り換え。
伊豆急下田行、伊豆急行線直通電車に乗りますよ。

この電車は、東急から伊豆急行に移籍した昭和51年製の電車です。
東京の渋谷を走っていた無塗装のステンレス電車。
東急時代の姿で今も頑張っています。

②普通5625M.伊豆急下田行
熱海.6:30→伊豆急下田.8:00
[乗]伊豆急行:8152

伊豆急8000系の車内。
左のロングシートは東急時代からのもの。
海側となるクロスシートは、西武特急レッドアローの廃車再生品なんだとか。

伊豆北川駅の眺め。
絶景だ。

伊豆急/片瀬白田→伊豆稲取。

この区間は沿線のハイライト。
海岸線ギリギリに沿って電車は走ります。
正面に見えるのは、伊豆大島です。

河津川を渡ります。
2月くらいになると、河津桜で河川敷がピンク色に染まるんですよ。

8:00
熱海から1時間30分。
伊豆急下田に着きました。

=稲生沢川=
稲生沢川は下田市加増野の婆娑羅山を水源とし、稲梓川や蓮台寺川等の支流と合流して下田港へ注ぐ流路延長15.1kmの二級河川です。

ここは、下田市魚市場です。
キンメダイの産地として全国１位の水揚を誇る、地方卸売市場下田市魚市場。
底魚や中/高級魚の扱いも多く、年間20億円台の取扱いをしているそうです。

=市場の食堂/金目亭=
下田名物の金目鯛を中心に、市場直送の新鮮な魚介を食べることができます。

▼金目亭 (伊豆下田100景HP)
http://shimoda100.com/restaurant/kinmetei/

魚市場前の岸壁から港を眺めると‥

あっ！
あの船は‥

ズームしてみましょう。

伊豆諸島開発の新造船/くろしお丸です。
船のりばからだと港湾事情によって、くろしお丸の撮影ができないので、魚市場前の岸壁にやって来ました。
今日はくろしお丸に乗って、クルーズを楽しみますよ。

=道の駅 開国下田みなと=
国道135号線/下田港の目の前にある道の駅です。
豊かな自然の恵みである海の幸や山の幸を紹介する物産店や飲食店などがあります。

▼道の駅 開国下田みなと
http://www.kaikokushimodaminato.co.jp/

=下田伊東園ホテルはな岬=
食べ飲み放題！バイキングが売りの格安温泉宿泊施設、伊東園グループのお宿です。
下田には、2軒の伊東園ホテルズが営業しています。

▼下田伊東園ホテルはな岬 (伊東園ホテルズ)
https://www.itoenhotel.com/hanamisaki/

これから乗るくろしお丸及び船のりばには、食堂・売店がありません。
イオンマックスバリュ エクスプレス下田銀座店で、食料を仕入れていきましょう。

黒船でやってきたペリー艦隊が、日米下田条約締結の為に、300人の部下を引き連れ了仙寺まで行進したペリーロードを歩きます。

=ペリー上陸の碑=
下田港が外洋と接近していて、安全容易で船の出入りが便利な事にペリーは満足し、日米和親条約締結により下田港は開港し、ペリー艦隊が続々と入港したそうです。

=あぜりあ丸のスクリュープロペラ=
下田～伊豆諸島(利島/新島/式根島/神津島)を結ぶ神新汽船に昭和63年～平成26年の26年間就航していた先代/あぜりあ丸(480t)は、後継船となるフェリーあぜりあ(495t)の就航に伴い引退となった為、予備スクリュープロペラが神新汽船から下田市に寄贈されました。
下田市と伊豆諸島の経済交流を記念して、ここにモニュメントとして設置されたものです。

8:50
=神新汽船のりば=
下田-伊豆諸島航路を運航する、神新汽船.下田営業所に着きました。

▼神新汽船
http://shinshin-kisen.jp/

=下田-伊豆諸島航路=
この航路が開設されたのは明治31年3月。
もとは東海汽船が運航していましたが、第三セクターの形で昭和52年10月4日に設立された海運会社、神新汽船が同航路を引き継ぎ運航されております。

こちらの船が、下田航路に通常就航している神新汽船/フェリーあぜりあです。

= フェリーあぜりあ =
船種‥フェリー
船籍‥日本/東京
航海区域‥限定沿海
所有/運用‥神新汽船・鉄道建設 運輸施設設備支援機構
総トン数‥495t
全長‥63.0m
全幅‥12.6m
建造所‥内海造船瀬戸田工場 (第769番船)
就航‥平成26年12月19日

次に、コチラの船は伊豆諸島開発/ゆり丸。

母島航路・青ヶ島航路を運航する伊豆諸島開発㈱が予備船の重要性を知っていた事から、新造時から予備船として建造された稀な船です。
通常は各島貨物船として運航され、母島航路/ははじま丸・青ヶ島/あおがしま丸・下田航路/フェリーあぜりあのドック入渠時に代船として活躍しました。
一度だけ鹿児島県のトカラ航路へフェリーとしま(先代)の代船で運航したことがあるそうです。
その運用が神出鬼没な事から「幻の貨客船」と呼ばれていましたが、実態はダイヤで運航していたそうで、船員様達は不思議に思っていたとか。

老朽化に伴い2021年10月をもって引退。
引退後はベリーズ船籍のONGO NIUAと改名され、トンガ王国で活躍するようです。

= ゆり丸 =
船種‥貨客船
船籍‥日本/東京
航海区域‥近海
所有/運用‥伊豆諸島開発㈱
総トン数‥469t
全長‥62.0m
全幅‥10.8m
建造所‥関門造船
竣工‥平成10年2月25日

ゆり丸の後継船として就航した、伊豆諸島開発の新造船/くろしお丸。
令和4年1月5日に竣工されました。
通常は青ヶ島航路を担いますが、ははじま丸・フェリーあぜりあがドック入渠すると両航路へ赴き代船として運航されます。

伊豆諸島開発株式会社様、おめでとうございます。
パチパチパチ‥

= くろしお丸 =
船種‥貨客船
船籍‥日本/東京
航海区域‥近海
所有/運用‥伊豆諸島開発㈱
総トン数‥469t
全長‥66.0m
全幅‥12.0m
建造所‥渡辺造船所
竣工‥令和4年1月5日

さてこの航路‥
本来は下田から伊豆諸島へ人と物資を運ぶ離島航路なんですが、伊豆諸島の島巡りができる、ワンデークルージングの設定があります。

月・木・土曜日は、下田→神津島→式根島→新島→利島→下田。
火・金・日曜日は、下田→利島→新島→式根島→神津島→下田。
水曜日は休航です。

※神新汽船公式サイトの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

￥ワンデークルージング運賃
・2等‥上記基本運賃。
・特2等‥2等運賃の約1.5倍額。
・1等‥2等運賃の約2倍額。
※特2等及び1等は、フェリーあぜりあ運航時のみ。
※運賃は、燃油代によって変動があります。

これまで現金払いのみでしたが、クレジットカードが使えるようになりました。

※GoogleMapの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

乗船手続完了。
運賃は、2等/6,580円でした。

新造船/くろしお丸は、ははじま丸の操船性能と旅客対応性能・あおがしま丸の貨物輸送性能を備え、近海海域に対応して通常は青ヶ島航路を担う誠実剛健な船を目指して建造されました。

乗船記念として、伊豆諸島開発/くろしお丸のフォトカードを頂きました。
ありがとうございます。

▼伊豆諸島開発
http://www.izu-syotou.jp/

伊豆諸島開発の新造船/くろしお丸です。
神新汽船の航路ですが、伊豆諸島開発の乗組員によって運航されます。

③伊豆諸島開発:くろしお丸.神津島先航下田行
下田.9:30→神津島→下田.16:30

8:55
では、乗船しましょう。

船室は2等モノクラスで、絨毯席と椅子席があります。
船旅の基本となる、大部屋雑魚寝の絨毯席を選択。

お席は先着順自由席。←(俗にいう早い者勝ち)
隅の方を陣取りましたが、下田からの船客は5名ほどとガラガラでした。

そろそろ出航時刻です。

出航の儀(単に眺めるだけ)に参列しようと、甲板に出ると‥
タラップ取り外し作業が行われています。

出航の儀(単に眺めるだけ)に参列する筆者。(笑)

9:30
ホーサーがビットから外されました。

ホーサー‥係留用ロープ
ビット‥係留用鉄杭

ゴゴゴゴォー
出航！

前進で離岸成功。
パチパチパチ‥

ボオォー
出航の汽笛が港に響きます。

岸壁では、事務所の方々が見送りをしてくれています。
さよならぁ～

いってまいります。←(7時間後に戻ってくるけど)
見送りの方々にお辞儀をする筆者。

下田→神津島→式根島→新島→利島→下田、133km/約7時間のクルーズ(貨客船に乗っているだけ)が始まりました。

下田よ。
さらばじゃ。

下田→神津島は、55km/2時間20分です。
伊豆半島南部を右舷に眺めながら、外洋に出ました。

本日の海況は、東からの波高1.7m。
横からの波を受けての航行となります。

こりゃ、揺れるかも‥

※Windy.comの画像。
フォートラベル利用規約第７条該当の恐れで削除。

ドドォーン！
ブァッシャーン！

波を砕いて前進する、くろしお丸ですが‥
くろしお丸は減揺装置として、フィンスタビライザー・ビルジキールを装備しているので、あまり動揺が感じられません。
さすが、新造船！

ゆり丸は、この程度で揺れたのですよ。

お腹すきましたね。
朝食にしましょう。

■みそ唐辛子おにぎり‥73円
■鶏そぼろおにぎり‥73円
■イオン麦茶‥51円

眠くなってきた。
神津島に着くまで時間があるので、寝ます。
ZZZ‥

ひと眠りして、目が覚めたら‥
神津島が目の前に近づいていました。

今日は島の西側、メインとなる前浜港にアプローチ。
海況によっては、島の東側、多幸湾三浦漁港に入港する場合があります。

11:42
神津島/前浜港に着岸。
パチパチパチ‥

神津島を出航。
次は式根島へ向かいます。

神津島→式根島は17km/50分です。

おっ！
神津島の島影から、三宅島と御蔵島が見えてきましたよ。

椅子席で寛ぐ筆者。
なかなか快適だ。

下田のイオン(マックスバリュ)のお弁当で、クルーズランチにするザマス。

■やみつき！ごぼうおかかご飯弁当‥429円
・ごぼうおかかごはん
・野菜炊き合せ
・鯖塩焼
・鶏照焼
・肉団子
・こんにゃく金平
・キャロットラペ
・小松菜ごま和え
・オクラお浸し
・人参煮
■ポテトコロッケ‥29円
■わんこうどん‥10%引124円
■GF缶チューハイ‥93円

青い海と空。
そして、神津島に向かってカンパーイ！

ドドドドォー
ザババーン！

くろしお丸は、航海速力14.8ノット(27.4km/h)で航行中。
少し時化ていますが、動揺が感じられず快適なクルーズだ。

式根島沖を航行中。
遠くから見ると平べったく見える式根島ですが、大半が断崖絶壁の島なんです。

12:41
式根島/野伏港に着岸。
パチパチパチ‥

ゴゴゴゴォー

式根島よ。
さいなら。

次は新島。
すぐ、目と鼻の先です。。

左舷には地内島(無人島)が見えます。
後ろの三角の島は利島です。

式根島→新島は、8km/20分。
両島を結ぶ、新島村営連絡船も運航されています。

▼新島村営連絡船/にしき
https://www.niijima.com/shoukai/access/nishiki/

新島.黒根港(前浜港)にアプローチ。
式根島と神津島が一望です。

13:20
新島/黒根港(前浜港)に着岸。
パチパチパチ‥

ゴゴゴゴォー

新島よ。
さらばじゃ。

新島・式根島・神津島と寄港して来た島を眺めます。
これぞ、TOKYOアイランドクルーズに相応しい景色だ。

次は利島ですよ。
新島→利島は16km/1時間の航海です。

三角形の尖った島は、鵜渡根島。
今は無人島ですが、明治時代頃は有人島だったそうです。

利島‥
まるで、要塞みたいな島だ。

最終寄港地、利島/利島港にアプローチ。
利島は外洋に面した港がひとつしかないので就航率が低いのですが、今日は大丈夫そう。

14:20
利島/利島港に着岸。
パチパチパチ‥

停泊時間は5分。
速攻で旅客と貨物扱いを終えて‥

ゴゴゴゴォー

利島よ。
さらばじゃ。

あとは下田に戻るだけです。
くろしお丸は、航海速力12.5ノット(23.2km/h)で航行中。

のんびり寝ていこう。

ひと眠りして目が覚めると‥
伊豆半島が近づいていました。

下田の街が見えて来ました。

おぉー
帰って来たよ。

夕日を見たいのですが‥
重要な儀式があるので、見れるのはここまで。

下田港に入港。

本航海最終となる、着岸の儀(単に眺めるだけ)に参列する筆者。

着岸地点が近づいて来ましたよ。

あっ！
船首部のホーサーが、もうビットにつながれていますね。
船体を90度回頭させ、最終の着岸体制に入り‥

船体後方のホーサーもビットにつながれました。

あぁ～
楽しいクルーズが終わってしまうよ～

16:05
定刻より25分早く着岸完了。
パチパチパチ‥

名残惜しいですが、下船しましょう。

▼くろしお丸の船内レポート(シクタン.com)
https://shikutan.com/0242-kuroshiomaruinside-041031/
コチラも、ご覧頂けたら幸いです。

これからの、くろしお丸の活躍に期待が高まりますね。
単に船に乗っているだけでしたが、楽しいクルーズでした。

次回は、下田海浜ホテル宿泊記です。
ご覧下さいまして、誠にありがとうございました。

-つづく-