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ブータンはしばしば、the last Shangri-la と呼ばれ、旅人にとっては是非とも訪れたい国ですが、個人ではなかなか行けない国と思われているようです。
ここでは10回以上、合計4年間滞在の経験に基づいて、旅行の手配について紹介します。
なお、ブータンについては2007年の3月8日に新版の“地球の歩き方”が出ました。データはその方が新しいので、本当に旅行する人は是非とも買って読んで下さい。
なお、2011年末に国内航空便が開設されました。パロ~ブムタンとパロ~タシガンの2路線で、いままで自動車で2・3日の行程が数時間と、楽になりました。
まず、ブータン旅行を、個人手配する方法について、あらすじを紹介します。
1、ブータンには国際空港はひとつで、乗り入れている会社はブータン航空1社だけです。(滑走路の延長上にある尾根をさけて旋回して離着陸するので他国機の乗り入れはない)
2、その航空券はヴィザがないと購入できません。(正式のヴィザは到着してからスタンプを押すので、ヴィザの認証(?)番号だけをもらって航空券を買うことになる)
3、そのヴィザの番号をもらうには、入国・出国日と滞在中に訪問する場所、日程を確定して、
4、現地旅行会社(ツアーオペレイター:後述)と連絡をとり、指定された口座に後述する旅行費用と航空券の代金などを、振り込んで手続きをしてもらうしかない。
というわけで、3・4・2の順序に手続きをすることになります。
ブータン航空(ww.drukair.com.bt)に搭乗するのは、タイ国のバンコク空港が便利です。そのほか、ネパールのカトマンヅ空港も可能です。
日本からの旅行者はバンコクかカトマンヅまでの往復航空券を購入するほかに、バンコク発のブータン航空は早朝出発なので、バンコクのホテルを手配しておきますが、夜遅くバンコクに到着して空港泊りをした友人もいました(2000年のことです)。
ネパール経由の旅行者はホテルに泊まっています。
なお、ブータンの空港は谷底にあるので、ときには霧がふかくて着陸できないことがあります。私はバンコクで搭乗して2日間ダッカのホテルに留め置かれたこともありました。
帰国便はバンコクでは、その日の内に乗り継ぎができると思いますが、ブータン航空が遅延の懼れもあるので乗り換え時間は余裕をとっておいて下さい。
旅人の手続きとしては、まず出入国の日取りをきめて、旅の目的(訪問したい地名、または、祭りと寺院とか高山植物とか見たいもの)もきめて、ツアーオペレイターに連絡します。
ツアーオペレイターからは、パスポートの写しをファックスして下さいとか、手続きに必要な事項についての返事が来るので、手続きをすすめて下さい。
つまり、個人旅行と言ってもブータン航空に乗るまでを自分が手配して、そのあとはヴィザも宿も食事も、現地のツアーオペレイターに手配してもらうことになっています。
一般に、キャンセルできるのは4・5週間前までで、それ以後のキャンセル料はかなり高いので、最低2ヶ月か、それ以上の時間的な余裕をもって計画して下さい。
祭りの季節などは宿が不足するので、日程や訪問先は一度きめたら全面的な変更はほぼ不可能です。 旅行者の希望は日程を決めるときに、正確に伝えておくことです。
さて、ツアーオペレイターをどのようにして選ぶか、これが大問題です。
ブータン政府の観光局(www.tourism.gov.bt これも一見の価値あり)から認可されているツアーオペレイターは、199社もあります。 これらの中から独断と偏見でえらぶと:
www.btb.com.bt Bhutan Travel BureauでIATAのオンラインシステムに加入。
www.ethometho.com 最大手のツアーオペレイター。グループ向きかも。
www.kingdomofbhutan.com Bhutan Tourism Corp. Ltd(BTCL)で、スマート。
(JTBは、おもに上記のエトメトやこの BTCLなど大手を使っている)
www.lhomen.com.bt 京都大学山岳会と登山したメンバー。トレッキングに強い。
www.zhideybhutan.com 日本語のホームページがあり、和文メール可。NHK御用達。
www.gangri.com このサイトは 旅行の注意などわかりやすい。
www.bhutanmandala.com マンダラ。日本の西遊旅行はこれを使っている。
wings@druknet.bt 日本の風の旅行社と提携。社長は日本語に堪能。
(www.intrektours.com 現在は閉鎖されている)
ほかには
www.triptobhutan.com このサイトも情報が多く掲載されている。
www.bootan.com/bhutan/rainbow これは日本の“風の旅行社”?
www.yudruk.com 旅行者が用意すべきもののリストが書いてある。
日本の旅行社もこれらの会社を通して手続きをしているので、これらのツアーオペレイターに直接連絡すれば、いくらか安くあがるはずです。
つぎの問題は料金です。 ブータン旅行の費用はall inclusiveで、料金の中に宿泊費、3度の食費、移動の自動車、ガイド、のすべてを含んでいます。 その料金は:
3人以上のグループならば、一人一泊が200ドルで、これがおすすめです。
2人ならば、一人あたり230ドルで、 ひとり旅は240ドルです。
このうち、政府の国庫収入が65ドルで、旅行者の費用は135ドルでまかなわれます。
トレッキングでテントに泊まっても同じ料金ですが、荷物運びの馬が数頭と馬方がつきますし、トレッキングの食事などはネパールよりも格段に良いと思います。食事のときの紅茶、コーヒーは含まれていますが、アルコールなどは含まれないので、旅行者が支払います。(ウィスキーはスコッチを輸入してブレンドしているのでおいしい)
前述の航空券の代金と、これらのコストのほかに、ヴィザや空港税などがかかります。
なお、インド人は例外で自由に入国して宿泊などは実費を支払っています。 これに便乗してインド人と一緒に入国して費用を安くあげようとする人がいますが、最近は国境と2時間ほど入った所との2ヶ所の検問所で、ブータン人も一人ずつ調べています。
たとえベンガル語をはなしてもすぐ見破られるし、見つかったら高額の罰金(10年前に1日あたり100ドル)をとられます。
本来、密入国はその国に対する犯罪ですから、危険は犯さないほうが良いと思います。訪れる国の法律、歴史、習慣は尊重してください。
女性のノースリーブや、膝が見えるような短パンやスカートは感心しません。(持ち込んではいけないと書いてあるツアーオペレイターのサイトもある)
とくに、ブータンの祭りは寺院の宗教行事ですから、Tシャツやスリッパでは入場できません。
私が住んでいた頃、外国人が事務所に出勤したら、その人の朝食のメニューをみんなが知っていると言われていたくらい、クチコミが発達しているし、知らない人や外国人はみんなが注目しています。
ともあれ、上記のウエブサイトのいくつかをのぞいてみては如何でしょう。
- 利用した際の同行者:
- カップル・夫婦(シニア)
- 観光の所要時間:
- 2日以上
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