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イランを旅したいと願う旅人が気に掛けるのは、イランと米国との関係。
イラン・イスラム革命以降2国間の関係は悪化の一途を辿り、オバマ政権下で少しは感情的にマイルドになったかと思いきや、トランプ政権下ではより悪化させられ、なかなかプランニングに踏み切れない方も多いと思います。
更にイラン入国時の観光ビザの問題も旅人が悩むところで、「2011年以降にイラン、イラク、スーダンまたはシリアに渡航または滞在したことがある者は米国のビザ免除プログラム;ESTAが取得できない」と米国政府は表明しています。
つまり、イランに2011年以降に足を踏み入れた人は米国への入国がちょっとやっかいな状況になると言うことです。
イランに滞在したことがあるかどうかを証明するのは、パスポートの出入国記録。
では、パスポートにイラン出入国の印鑑がなければイランに滞在した履歴は抹消されるのでしょうか?
イラン政府は2018年に、観光ビザを希望する旅人向けにイランへの出入国の記録をパスポートに残さないシステムを作りました。
どういうことかというと、イランへの出入国はイランのみが管理し、旅行者はイラン観光ビザ1枚の紙を準備し入国審査の際に見せるだけ。
日本政府発行の私たちのパスポートにはイランへの入国・出国記録印は一切残りません。
コレは、イランを旅したい旅人にとっては救済処置に思えますが、果たしてパスポートにイランのビザがなく、イランへの出入国印がないだけで、アメリカに対しイランに行っていないと主張できるのでしょうか。
パスポートにイランへの出入国印が無くても、電子的な記録はどこかに記録されていないのでしょうか。
イラン国の出入国記録の電子媒体にはパスポート番号はビザ申請の際に記録されているでしょう。
イランの観光ビザ申請時と同じ番号のパスポートを使っている限りは、その2者は電子記録で紐付けられている筈です。
だから、イラン旅に使ったパスポートではイランへの渡航履歴がパスポート番号から証明されてしまい、アメリカが調べれば、イランへ入ったことのあるパスポートだとばれてしまう可能性が十分にあります。
大国のアメリカが、たかが1旅行者のESTA申請書類のイランの渡航歴の真偽について調査するかどうかは分かりません。
多分、そんな手間がかかることは、しないでしょう。
しかし、もし、どこかの書類からイランへの渡航歴=パスポート番号=氏名と繋がってしまった場合、アメリカに対して虚偽申請をしたことになり、嘘に厳しい国アメリカでは、それは大きな罪。
ESTAどころか、今後アメリカ系の全てのビザの発行を拒絶されてしまう可能性があります。
イランの観光ビザが紙1枚に変わったからって、イランへの渡航履歴が消えたことにはなりません。
イラン旅の後は渡米の手続きが少しだけ面倒くさくなることを理解した上で、プランニングをしなければならないのでしょうね。
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