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2020年2月中旬、バンコクからのフライトでヤンゴン国際空港の国際線ターミナルに到着した。
今回は、ヤンゴン国際空港に到着した時からGrabタクシーを利用するつもりであったので、到着口を出た直後私に声をかけてきたロンジーを履いたタクシードライバー風の男性がかけてくる言葉をずっと無視していた。
最初にはっきり断ればよかったと思う。
まず、ターミナル内でドルをチャットへ両替しようと思った。
一階の端から端まで両替所のレートを見て行ったが、この男性は私にしつこくついて来た。
私がずっと黙っていると、到着口を出て右側の一番奥にある両替所へ私を誘導するような格好になった。
3軒並んでいる両替所のうち、両端の2軒のレートがベストであった。この男性はそのうち左端の黄色い両替所(アップした写真にその日のレートが表示されている)を勧めてくる素振りをした。
それを無視するか、 一旦その男性を振り切れば良かったのであるが、私は横着をしてそのまま左端の両替所でドルを両替することにしてしまった。
中に声をかけると、窓口の女性が電卓を叩き、私が伝えた100ドル紙幣2枚分を両替して受け取るチャットの合計額を示した。
この時私はスマホの電源を切っていた。この後ターミナル内でSIMカードを購入する予定があったからである。
いつもはスマホの電卓で計算して受け取る金額を確認するのであるが、この時はそれを怠ってしまった。
国際線ターミナル内で営業を許可されている両替屋に騙されるとは、この時の私は夢にも思っていなかったからである。
電卓に表示された275,600チャットの紙幣を受け取った私は、その場で確認し窓口を後にした。
すぐ近くのベンチに座って紙幣を鞄にしまおうとする時、私ははたと気がついた。
先ほどの両替所で表示されていたレート1USD=1,448チャットを適用すれば、
200USD=289,600チャットを受け取れたはずである。
私はそれより14,000チャット(約1,036 円)少ない額しか受け取っていない。
※ちなみに、受け取った275,600チャットで計算すると、適用レートは1USD=1,378チャットとなり、 この日のターミナル内のどの両替屋のレートよりも低かった。
気づいた時はもはや後の祭りである。先ほどの両替所ではレシートは一切発行されなかった。女性が電卓に叩いた数字も、私が窓口を去る前に消されていた。
「現金その場限りの原則」からすれば、 窓口を離れた後での私の抗議は受け入れられないであろう。
もし、あの時私が正しい金額を確認し、窓口の女性が電卓に表示した金額が間違っている、と申し出たらどうなっていたであろうか?
ひょっとしたら、「窓口に表示しているレートは間違いで、これが正しい金額だ」といい張られたかもしれない。
※ピイという街に滞在中に入ったレストランで、会計の時メニューに表示された額よりもわずかに高い金額を請求されて揉めたことがあった。その時店員は、メニューの金額は古い数字だと言い張ったが私は喧嘩をしてメニュー通りの金額を支払った。
ベトナムでは、観光客を騙す手合い(例えばタクシー運転手)は口八丁手八丁でグイグイ来る。ひょっとしたら、ミャンマーのこの手の連中は、そのシャイな国民性ゆえ、グイグイ来る代わりに偽りの数字を電卓やら請求書やらに示して外国人観光客を騙すという手口を取るのかもしれない。
最初からあの男性とこのインチキ両替屋がグルであった可能性が高い。
被害金額がこの程度に納まっているのも、計算づくなのであろう。被害額が一桁大きければ、私は大騒ぎをして空港の警備員などを呼び、この両替屋に備え付けられた監視カメラの画像を見せろと強く迫ったであろう。
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