出国審査で拘束

延吉空港で出国の際に別室に回された。疚しさがないのに気は焦った。
途上国のような難癖つけて賄賂をせびるのとも違い、杓子定規に何かがひっかかるようだった。拙い中国語では管理官の言うことはわからないし、焦った。パスポートを最初のページから最後のページまでじっくりと何周も繰り返してみて色んな人間が集まってきた。不法行為は一切していないのでそこは大丈夫だが、なにが言いたいのかわからないのは不気味だった。

田舎の出入国は比較的のろいし手間取るが、容疑者になるのは初めてだった。延辺では脱北者がらみで厳しくなっているようだが、その関係だろうか。価格を第一にしたのでハルビンから入国したことも指摘された。

そして10年パスポートの有効期限が近いのでパスポートには出入国がいっぱいあり、これも価格重視からヨーロッパでもアジアでも中国系航空を使うことが多いのでトランジット入国も含め、中国の出入国が20回以上あるのがなにかしら問題だったのだろうかと推測した。

結局は中国語もできないし朝鮮語も解せない人間がなにかできるとは思えないと感じたか、釈放された。しかし官憲の匙加減一つだけで簡単に拘束は可能だと肌身で感じた。

中国にかかわるのは怖いので行くのも使うのもやめようと思った。