コーカサス三国+ドーハの旅その５ジョージア・ウシュグリ～メスティア編

朝起きて、外を眺めて仰天です。
雲ひとつ無い大快晴！
今日は一泊二日でウシュグリからメスティアを経由してトビリシに戻ります。

その前に陽が昇るのを待って、もう一度あの場所へ！

シハラ山がクッキリと見えます。
遮るものがありません。

集落に入ってきました。

ワクワクが止まりません。

昨日と同じ道を

だけど明日になれば、もう当分歩く事が出来ないだろうこの道を
噛み締めながら歩きます。

豚さんもジョージア人に似て朝が遅いです。

もうすぐ到着します。
あの場所に！

そして、こ光景を前に、再びはっちゃけてしまう私。

大草原に大の字になって

大自然の空気を想いきり吸い込んで

地雷を避けつつほふく前進！

目前には、この世とは思えない光景が…

余りにもパラダイスな光景に

まさか昨日タマラ女王の塔の帰りに崖崩れが起きて…

もしかして私は本当にパラダイスに？

右の頬をつねってみました。

普通に痛かったです(笑)

でも、このままずっとこの景色を眺めていたら、本当に元の世界に戻れなくなりそうで、意を決して踵を返します。まだまだ旅したい場所はいっぱいあります。未だ天国に逝くには早すぎます。

宿の近くの小高い丘に戻って来ました。

目の前の絶景に再びこんな時間がいつまでも続いたらなぁと思ってしまいます。

かと言って、じゃあずっと此処で暮らして良いよ！と言われても、私は即答出来るでしょうか？
即答するには、私は余りにも都会の毒が体に馴染み過ぎてしまっています。

人間って無い物ねだりな生き物なのです。

その無い物ねだりを補完するものこそ旅なのかもしれません。

この光景をしっかりと脳裏に焼きつけました。

後ろ髪を引かれつつウシュグリを後にします。

パンクしてしまいました。

パンク修理の間、暫し一休みです。
この村にも復讐の塔が。
こうした村に宿泊しながら、メスティアからウシュグリまでトレッキングをする旅人もいます。

メスティアに戻って来ました。
ウシュバ山が出迎えてくれました。

メスティアでは十字架峠迄のトレッキングに挑戦します。
でも…高い…。

宿の主人に十字架峠の行き方を尋ねると、合言葉の様に
「上へ行けば着くよ！」
との事でした。

なんでお馬さんが、こんな斜面にいるのでしょう？
ホースライディングのお客様待ちでしょうか？

だいぶ高度が上がってきました。昨日タマラ女王の塔に登ったばかりなので、もうヘロヘロです。

山を登っていると茂みがガサゴソと。
思わず「出、出たぁ！」と、飛び退くと
なんと出てきたのは牛さんでした。

私が登って一休みしていると、牛さんも山を登ってきます。その繰り返しで何故か牛さんと一緒に山登りです。

途中私はショートカットコースへ。
牛さんとは此処でお別れです。

小さな花が、連日の山登りにヘトヘトな私を応援してくれます。

やっとお目当ての十字架が見えて来ました。

花がとっても綺麗です。

あと一息です。

到着しました！
そこには360度の絶景が待っていました。

眼下には豆粒の様なメスティアの街が
その向こうに雪を抱いたスバネティ山脈が

復讐の塔がまるでミニチュアの様です。

視線をずらせば、此方にも雪山が

振り返ればコーカサス山脈、ツインピークスが印象的なウシュバ山が！

実はトビリシからズグディディに向かう寝台列車で、メスティア生まれの女性と知り合いました。結婚し故郷を離れた彼女は、家族を伴ってメスティアに帰郷する最中だとの事。

彼女の実家はゲストハウスを経営しているとの事で、泊まらないか？とお誘いを受けました。
宿の見当さえつけていない私にとって、願っても無い話ではありましたが、ウシュグリへ直行するか、メスティアに一泊してからウシュグリへ向かうか決めかねていた私は、悩んだ末に遠慮しました。

すると彼女はこう言いました。
「ウシュグリかぁ。そうよね。みぃんなウシュグリに行く。でもね、メスティアだっていっぱい、いーっぱい良いところあるんだから！」
ウシュグリを目指す観光客が増え、その拠点となるメスティアは目覚ましく整備されました。しかしその多くの旅人は、メスティアを通り抜けウシュグリに向かいます。メスティアが地元の彼女にとって、それは歯痒い事だったに違いありません。
私はなんて気が回らない男なのでしょう。
猛反省です。

そんな彼女への贖罪の気持ちと、それ以上に、彼女が伝えたかった素晴らしい場所、それが見たくて、メスティア素通りの計画を変えました。

彼女から具体的な場所を聞いた訳ではありません。でも、復讐の塔ならウシュグリでコッテリ見てきたので、それとは別な場所だと推測しました。
そして自分なりに見つけたのが十字架峠。
彼女の一言で、この素晴らしい景色を見逃さずに済みました。

メスティアの街が近づいてきました。

坂の中腹の宿で一休みしたら、夕食を食べに街の中心へお散歩です。

メスティアの復讐の塔は修復が施されているのか、均等に綺麗です。

メインストリートこそ、観光地然としているメスティアですが、一本路地裏に入れば昔ながらの風景が広がります。

昨日、今日、至る所に建っていたこの塔も、明日からは私にとって非日常の世界になります。

メスティアの復讐の塔は夜になるとライトアップされます。

メスティアをたつ朝が来ました。
移動日には勿体無い程の快晴です。

見る風景全てが名残惜しいです。

メスティアを後にしました。
見送ってくれた印象的な稜線を持つ山はなんと言う名前でしょう？

帰路もエングリ・ダムの湖畔で休憩です。

トビリシ、ゴルカサリ広場に戻って来ました。

メテヒ教会とゴルカサリの像です。

ゴルカサリ広場に夜の帳が降りました。

ジョージアはワインの発祥地とされ、とても美味しいワインが安く手に入ります。ゴルカサリ広場の地下道でもワインショップがズラリと並んでいました。

ナリカラ要塞がライトアップされています。
ロープウェイに乗って、夜景を見に行きましょう。

ナリカラ要塞からトビリシの夜景を眺めました。

夜景を眺めていると、ボンと言う音が響きました。

小さな花火、それも数発のみの花火でした。

だけど、念願のウシュグリへの旅を終え、無事トビリシに戻って来た私にとって、小さな花火は、ウシュグリに咲いた小さな花の様に心に響きました。

最後までご覧になってくださり、ありがとうございました。

次回はムツヘタとカズベキへの旅を纏めて紹介したいと思います。
https://i.4travel.jp/travelogue/show/11266291